ボランティアを対象に初めて安全性試験から
すでにいくつかのワクチン候補の試験が始まっているが、オーストラリアでもQLD大学(UQ)の研究チームの開発したワクチン候補の人間を対象にした試験が始まった。
ABC放送(電子版)が伝えた。
この試験では120人のボランティアが4週間ごとに2回のワクチン注射を受け、その後の経過を観察することになっており、試験を指揮するポール・ヤング博士は、1年後にはワクチンを提供できればと期待している。
国内ではすでに数件の臨床試験が始まっており、QLD州内でももう一つのワクチン開発が進められている。
この試験では、ボランティアは4週間ごとに2回のワクチン注射を受けることになっており、ワクチンの安全性や免疫応答性を観察し、今後12か月にわたって観察が続けられる。また、中間結果が9月末までに発表される。
QLD州政府は先にワクチン開発を促進するため、研究に1,000万ドルの資金を投入している。
ポール・ヤング教授は、「ワクチンがいつごろできる上がるか予測は難しいが12か月くらいの期間を目標にしている。2021年中期には用意できるようにしたい」と語っている。
さらに、「これまでのラボ内での試験でワクチンがウイルスを無力化する効果があり、人間に与えても安全だということが示されている」と語っている。
また、ヤング博士は、「研究は大学とメーカーが提携しており、研究から市販化までが迅速に行われる利点がある。もし、試験が順調にいけば、メーカー側は後期臨床試験、規制機関の認可、大規模製造・流通体制などを前倒しに進めていくことができる」と語っている。
ソース
Human trials begin on coronavirus vaccine developed by University of Queensland