メルボルンの医学研究所が調査委員会で証言
VIC州メルボルン市で海外帰国者がホテル隔離中に警備員のはからいでホテルを抜け出して市内を歩き回っていた不祥事の調査が始まっており、免疫と感染の分野の研究所からの証人が、「コロナウイルス第二波の99%の感染源はホテル隔離者だ」と証言した。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
8月17日、メルボルン大学などの合弁、ドハティ・インスティチュートのベン・ホウデン所長が証言席に座り、「6月以来、コロナウイルスは3種の株が確認されているが、いずれも少なくとも3人の海外帰国者が海外から持ち帰ったものと考えられる」と証言した。
6月以降海外帰国者は全員がホテル隔離を義務づけられており、ホウデン教授は、「私の研究所でゲノム・シーケンス解析した結果から言えることは、現在、VIC州で発生しているすべてのコロナウイルス感染の99%はいずれもこの3つの株であるということだ。ごく少数を除いてすべてこの3つの株ということだ」と語った。
ただし、ホウデン教授は、「この他に疫学的データが手許にないため、第二波のウイルスが帰国者のホテル隔離中に広まったかどうかは確定できない。しかし、海外帰国者から発生したクラスターと無関係なコロナウイルス株が他にあるとは考えられない」と語っている。
さらに、「クラスターの初めに海外帰国者関係の陽性者が出ており、その後に国内感染が発生するという形をとっている」と証言した。
ドハティ・インスティチュートのゲノム・シーケンシング部長を務めるホウデン教授は、「当研究所は7月23日までVIC州で発生した症例の46%までゲノム・シーケンシング解析をしていた。それだけのデータがあれば、第二波のほぼすべてが海外帰国者から広まったものと判定することができる」と証言している。
また、「VIC州内の第一波は5月末から6月初めにかけて途絶えており、その後に第二波が広がり始めた」と語った。
ホウデン教授は、「7月29日現在で65のゲノム・クラスターが確認されおり、規模も2人から1,000人を超える者まで様々だ」と証言した。
■ソース
Returned travellers caused ’99 per cent’ of second wave