戦争中の不発弾処理任務、ホニアラの住宅地で
9月20日夜、ソロモン諸島、ホニアラの住宅地でオーストラリア人とイギリス人の爆弾処理専門家2人が爆発事故で死亡した。事故当時の詳細は不明。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
亡くなったのはニューカッスル出身のトレント・リー氏(40)とイギリス人のルーク・アトキンソン氏(57)で、2人は、ノルウェーの非政府組織、Norwegian People’s Aid(NPA)から派遣され、ソロモン諸島は第二次世界大戦中の太平洋戦線の激戦地で、島に埋まっている日米両軍の不発弾(UXO)の処理を行っていた。同組織は1850人の専門家が19か国で活動している。
リー氏は長年の夢だったエコロッジを作るため、1年半前にパートナーのキャスリンさんとソロモン諸島に移り住んでいた。2人がエコロッジ建設の政府認可を待つ間、リー氏は金鉱の化学主任などの副業を続けており、半年ほど前からはノルウェーのNGOで爆発物処理の仕事に携わっていた。また、地元民に水道網敷設の仕方を教えていた。
リー氏はマウンテン・バイクのチャンピオンやケーブ・ダイバーとしても知られており、2017年の1ドル切手の図案にもリー氏のケーブ・ダイビングの姿が用いられている。
NPAは、ソロモン諸島政府に協力し、領内の島々に残された日本軍と連合軍の不発弾のデータベースの統一化を進めていた。組織のパー・ネルガード副事務局長は、「事故は日曜日午後8時頃に起きており、住宅地に爆発物があったというのはちょっと考えられない事故だが、憶測で離したくない。不発弾の取り扱いには非常に厳重な手順があり、なぜこのような事故が起きたのかは謎だ」と語っている。
NPAは、警察の事故捜査が終わるまでソロモン諸島のUXO処理作業をすべて中止している。
退役豪軍軍人でAustralian Peacekeeping Service Alliance全国統括者のポール・コープランド氏は、「この事故は平和維持の仕事の危険を浮き彫りにしている。太平洋の島々には今も第二次世界大戦中の不発弾が無数に残っており、海も島も人が生活できるようにするためには、80年が過ぎてもまだ戦争の名残を処理しなければならない」と語っている。
■ソース
‘A modern day MacGyver’: Australian bomb expert remembered after fatal blast