ロンドンの高感染性コロナウイルス株、豪でも発見

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海外帰国者の検査サンプルから

 12月21日、グラディス・ベレジクリアンNSW州首相は、「シドニー・ノーザン・ビーチーズで検出されたコロナウイルスの株はアメリカからの帰国者から検出されたものとよく似ている」と発表している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ケリー・チャント州主席医務官は、「帰国者の何人かがコロナウイルスの新種株を持っていた」と語っているが、この新株はシドニー・ノーザン・ビーチーズのアウトブレークの原因になったものではない、としている。

 イギリスでは南東部のロンドン周辺で感染力の強い変異株が急速に広がり始めており、ヨーロッパ大陸各国が一斉にイギリスに対して国境閉鎖をし始めている。また、世界保健機関(WHO)も、「イギリスの新種株がオーストラリアでも検出された」と発表しており、質問を受けたチャント主席医務官は、「イギリスからの帰国者2人がコロナウイルス陽性と判定されており、イギリスの変異株が検出された。ただし、ノーザン・ビーチーズのアバロン・クラスターではこの変異株は発見されていないことをはっきりさせておきたい」と語った。

 WHOの疫学者、マリア・ヴァン・ケルクホーブ氏がイギリスのBBC放送に出演し、「イギリスの変種株がオーストラリアでも1件検出されている。また、同じ株がオランダとデンマークでも見つかっている。ただし、オーストラリアではそれ以上には広がっていないようだ」と発言している。

 イギリスでは、新しい変種株はこれまでのウイルスよりも70%感染力が強いと発表されているが、オーストラリア連邦政府のポール・ケリー主席医務官は、「この新種株が大きく変わったとは考えられない。どんな感染症でもそうだが、要素として、環境、ホスト、人間、病原体が揃っていなければならない。病原体は少し変化している。一方、イギリス南東部ではロックダウンに入るまで大勢の人が移動していた。また、イギリスは現在冬季だ。こういう要素を考慮しなければならない。一方、イギリスからの帰国者はすべて14日間のホテル隔離が義務づけられている」と語っている。

 ケルクホーブ氏は、「この変種株がどの程度広がっているのかはさらにゲノム解析をすれば明らかになることと思う」と語っている。
■ソース
Cases of UK’s highly contagious mutant COVID strain detected in returned travellers in Australia

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