テロ・殺人など59件の罪で

オーストラリア・シドニーのボンダイ・ビーチで14日発生した銃乱射テロ事件で、ニューサウスウェールズ州警察は17日午後、テロ行為や殺人などの罪でナビード・アクラム容疑者(24歳)を起訴した。事件で警察の銃弾を受けて意識不明の重体となっていたが、意識を回復したため収容先の病院(非公表)で起訴に踏み切った。
同容疑者に課せられた罪は、◇テロ行為の実行、◇殺人15件、◇殺人未遂40件、◇傷害目的の銃器使用、◇禁止されたテロ組織のシンボルの掲示、◇爆発物設置、の合計59件。
容疑者の親子2人のうちサジド・アクラム容疑者(50歳)は事件現場で警察が射殺している。
州警察の発表の時点で、犠牲者数は15人、病院に搬送された負傷者の数は41人。このうち20人が今もシドニー各地の病院で治療を受けている。
なお、州警察は18日、現場検証を終了し、周辺の立ち入り規制を解除したと発表した。ボンダイ・ビーチの海沿いにあるキャンベル・パレードは一方通行で、南向き車線は依然として通行止めが続いている。また、ビーチに面したクイーン・エリザベス・ドライブの駐車場も閉鎖されたままとなっている。
容疑者のフィリピン滞在先判明
サジド、ナビードの両容疑者は11月、フィリピンに渡航していたことが明らかになっているが、その足取りが次第に判明している。公共放送ABC(電子版)によると、2人は同国南部ミンダナオ島のダバオ市街にある簡素なホテルに滞在していたという。
ABCがホテルの従業員に確認したところによると、2人は11月1日にチェックインし、27日間滞在。シングルベッドが2台置かれたベッドルームとバスルーム、小さなテレビがある狭い部屋に泊まっていた。宿泊料金は1泊930ペソ(24豪ドル)だった。
従業員の1人は容疑者2人について、「不審なところはなかったが、話しかけやすい雰囲気でもなかった」と説明している。2人は毎日ホテルから外出するところが目撃されていたが、部屋を空けている時間は長くても1〜2時間で、街から外に出ている様子はなかったという。
従業員はティックトックで銃乱射事件の動画を見て、容疑者が宿泊客だったことに気付き、驚愕したという。
■ソース
Bondi gunman formally charged by NSW Joint Counter Terrorism Team(NSW Police Force)