コロナ陽性かも、その時どうする?──日豪プレス・スタッフ体験ルポ
事の始まりは、昨年末の12月27日。長男が具合を悪くして寝込み、「あら?」と思ったのも束の間、翌日には次男も体調不良で嘔吐。とは言え、2人とも熱が出たのは1晩だけで、38度程だった。2人とも翌日には元気いっぱい、いつも通りのけんかを始めるほどに回復。それでも、このご時世、コロナに感染していては大変と、年末年始の約束や予定は全てキャンセルさせて頂き、検査キットを探し回ることになった。連日10件程の薬局を回り、「売り切れ」と言われる日々。
ようやく検査キットが手に入ったのは30日の午前中だった。その日、3件目の薬局で、いつも通り「検査キットありますか」と訪ねたところ、「ある」とのこと。聞き間違いかと自分の耳を疑うほど、やっとの思いで手に入れることができた。ツチノコを見つけた時は、きっとこんな感じね!という、うれしさから、「3個ください!」とお願いしたところ、「1人1セットまで。でも、この中に5回分入ってる」との返答だった。言われるがまま、1セット50ドルで購入し、帰宅することに。
帰宅後、家族全員でチェックしたところ、息子2人は陽性、大人は陰性だった。ショックを受けたものの、息子たちが軽症で良かったと胸をなでおろした。大人はやはり、ワクチンが効いているのか。「すごいな。ワクチン!」と思っていたのは束の間、日々重くなっていく体。「あれ? 微熱かな」なんて思っていたら、年明け1月3日の夜に私の体は39度という高熱を叩き出していた。「え? 軽症じゃないの? 私ちゃんとワクチン2回打ったんですけど……。耐えられない頭痛に加え、手足の筋肉痛(筋肉ないけど)、下がることのない高熱。耐えきれず手にしたのは、万能薬パナドールだった。1時間もすると、頭痛と体の痛みは引いたものの、顔面に違和感が。なんと、顔がお岩さんのように腫れてしまった。悲しくもないのに、流れ出る涙。薬の副作用なのか、コロナの症状なのかわからないけれど、目もまともに開けられない状況に、とりあえずパナドールを服用するのは止めようと心に決めた。
その後、パナドールという最強武器を捨てた私は、39度の高熱と共に朝を迎えた。高熱で体中が痛いものの、鼻水や咳といった症状はほとんどなかった。翌朝、熱が少し下がったので、近所のPCRドライブスルーに向かうことに。時刻は午前10時半。事前の調べでは、検査時間は午前8時〜午後12時と記載してあったので大丈夫だと思っていたが、受付は終了していた。後から聞いた話、私が訪れたドライブスルーでは、車での受付が終了していても、徒歩で行けばすぐに対応してもらうことができたという。そんなことを知らなかった私は、足を伸ばし別の検査場へ。とんでもない車の列にトイレの心配をしたが、1時間半並んだところで順番が回ってきた。
検査を受ける車の約10台前に、検査場の係員がQRコードの紙を持って来た。「調子はどう?」と聞かれたけれど、しんどさと疲れで、まともな返答もできず、QRコードを読み込むと個人情報をあれこれ入力し、受付終了。すぐに登録した電話番号のスマホにテキストが送られ、自分用のQRコードが届いた。その後、検査担当の係員にそのQRコードを読み込んでもらい、名前と生年月日を口頭で確認され、検査となった。まずは、長い綿棒を喉にグリグリ。次に両方の鼻の穴に突っ込まれグリグリ。地味に辛いこの検査、涙目になりながら耐えた。72時間以内には結果が届くと言われ、全て終了。検査自体は3分にも満たなかったのではないかと思う。
その後自宅に戻り、ひたすら寝続けた。そして、迎えた翌日。すっかり熱が下がり、腫れあがっていた顔はスッキリ! 激しい運動はできないものの、すっかり元気になった。それにしても、検査結果はいつ出るのか……。検査を受けて31時間後、その通知が届いた。「POSITIVE」。検査結果を知らせるそのテキストには1週間は家から出ないこと、体調が悪い場合の電話連絡先などが書いてあり、質問表に答える必要があった。それは、2週間以内に海外渡航歴があったか、なぜ検査を受けたのかといった内容だった。
すでに、もう1週間以上隔離生活をしている私だが、更にもう1週間続くことになった。ワクチンのお陰なのかはわからないが、入院になるような事態にならず良かったと思い、今年は健康第一に過ごしたいと心の底から感じた年始の出来事だった。