ANZ銀行のデータで、買い控えの消費者心理が歴然
1月7日付ABC放送(電子版)は、ANZ銀行のデータから、1月5日までの1週間の国民消費額はコロナウイルス・デルタ株ロックダウン以来の最低の水準に下がっていることを報じている。
現在、オーストラリア国内でロックダウンしている州も準州もないが、データによれば、現在のオーストラリア国民の消費パターンは全国的なロックダウンが行われている場合と変わらない状況になっている。
このデータはANZ銀行の「内部システム」が捉えたもので、2022年1月5日までの1週間に消費者が小売店やデパートで何を購入したかを割り出したもので、店頭購入とオンライン購入の双方を含めている。
その原因として、人混みに行くことを警戒するようになっていることに加えて店員不足があり、レストランでの食事も小売店での商品購入も、旅行もすべてが落ち込む結果になっていることが考えられる。
また、コロナウイルスでトラック運転手も半減していることから食品供給チェーンに重圧がかかっており、今後、感染者が増えれば状況がさらに悪化することが予想される。
同銀行のアデレード・ティンブレル主任エコノミストは、「経済的にもっとも打撃を受けているのはホスピタリティ部門だ。衣料小売り部門も深刻な落ち込みようで、ロックダウンになると70%前後落ち込むのが普通で現在も同様の傾向にある。また、家具や電化製品小売り部門は、そういう大きく高価な商品の場合、オンラインで購入することが少なく、現物を見て買うことが多いので現在一時的に落ち込んでいる」と語っている。
シドニーの場合、総消費額は2020年のコロナウイルス蔓延が始まって以来の最低の水準に落ち込んでいる。
一方、VIC州や特にメルボルンの場合、デルタ株ロックダウン中ほど落ち込んでおらず、その回復もシドニーよりはるかに早かった。
州別に見れば、QLD、SA、WA3州でもクリスマス商戦期以来、かなり厳しい落ち込みが見られ、2021年のロックダウン回復期よりもわずかに少ない。
■ソース
Australians are spending as though they are in COVID-19 lockdowns, data from ANZ Bank suggests