2021年の医学専門家らの忠告を政府や議員が無視
2021年8月、公衆衛生や疫学の専門家が与党や野党議員のグループに、「このままではPCR検査制度は検査を求める市民の需要をさばききれず、逼迫する。迅速抗原検査(RAT)を緊急に準備すべし」と忠告していたが、結局迅速抗原検査(RAT)の採用が遅れ、各地でPCR検査会場が混乱する結果になったことを明らかにしている。
1月11日付ABC放送(電子版)が伝えた。
報道によると、公衆衛生専門家は、2021年8月25日に保守連合議員数人を含めた連邦議員のグループに、現在のPCR検査制度は検査を求める市民の需要をさばききれず、逼迫することになる。政府は直ちに迅速抗原検査(RAT)の採用を準備すべきだと伝えたことを明らかにしている。
この公衆衛生専門家はヘニング・リリェクビスト氏で、「Parliamentary Friends of Medicine」グループにプレゼンテーションして、状況を説明した。PCR検査制度だけではさばききれなくなるため、RATに振り向ける必要があると伝えた。この説明会には、感染症専門家のメアリー=ルイーズ・マクロウズ教授、Pathology Technology Australiaのディーン・ホワイティングCEOらも議員団に1時間にわたって説明を進めた、と語っている。
ドクター・リリェクビストは、「RAT供給不足問題は予想可能なだけでなく、実際に予想していいた。しかし、現実に見たのは連邦政府が砂に頭を突っ込むという反応だった。なぜ、政府はPCR検査制度をこれほど長く守ろうとしてきたのか? 結局、検査会場が溢れたり、検査を早めに締め切るなどが起きた」と語っている。
連邦政府のグレッグ・ハント保健相の広報担当官は、「医療現場で医療専門家の監督の下にコロナウイルスRATを実施することは2020年8月以来続いている「と語った。
さらに、「当連邦政府はRATを早くから取り入れ、2020年8月以来RATキットを購入、高齢者介護施設などに配布してきた」と語っている。
しかし、グループを主宰している一人、マイク・フリーランダー労働党議員は、「政府与党議員は医療専門家によるプレゼンテーションでは熱心に聞いている感じだったが結局実行に移す様子はなかった」と語っている。
■ソース
Leading expert says MPs were warned that testing ‘wouldn’t cope’