迅速抗原検査の陽性報告義務制で一挙に激増
1月12日朝から迅速抗原検査法(RAT)検査で陽性判定が出た場合にはService NSW appで州保健局に報告することが義務づけられ、違反者には最高$1,000の罰金が科せられることなっているため、個人でRAT検査をして陽性だった人が報告しており、12日からコロナウイルス陽性者が激増している。
1月13日付ABC放送(電子版)が伝えた。
NSW州政府のビクター・ドミネロ・カスタマー・サービス担当相は、「午前9時現在でRAT陽性報告が82,000人にのぼっている」と発表し、さらに、「個人が自分でできるRAT検査陽性判定の報告義務違反に$1,000の罰金を科してもどうやって取り締まるのか?」との批判が出ていたことについて、「現実に取り締まることは難しい」と認める発言をしている。
この日、死者も22人と発表され、再び1日の最悪記録を更新している。
1月13日午前に発表された陽性者数は1月8日のピークのさらに倍になっているが、これはService NSW appで報告された個人のRAT検査陽性結果が少なくとも61,387件加わっていることによる。
NSW州保健局は、「最新の数字の一部は、一つのRAT陽性判定を2日以上繰り返して報告していたり、同じ報告期間にRAT検査とPCR検査を受け、その度に陽性報告をしていたことが考えられる」としている。
Service NSW appは1月12日朝に立ち上げられたが、政府は1月1日以降の陽性判定を報告するよう呼びかけたため、数字が一挙に大きくなっている。
1月12日午後8時までの24時間に検査会場でのPCR検査で陽性と判定されたのは30,541人となっている。
ドミネロ大臣は、「人々がこれからも過去に遡ってRAT検査陽性判定を報告するだろうからまだ当分は大きな数字が出ることと思う」と語っている。
さらに、「個人RAT検査の陽性判定報告義務違反を取り締まることは難しいが、政府としては取り締まるよりも、報告するよう仕向けることが狙いだ。将来的には逆に報告することで政府の援助が得られるなどの誘導策を導入することもありえる」と語っている。
■ソース
NSW records 22 deaths, 91,928 COVID-19 cases as rapid antigen tests added to daily infection tallies