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乾杯/花のある生活

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花のある生活 ─ flower in life ─ 第30回
乾杯

泡が弾けるようにガラス花器に南京はぜを入れ、高く大輪菊を入れました。赤、緑、金を使用しクリスマスをイメージしています
泡が弾けるようにガラス花器に南京はぜを入れ、高く大輪菊を入れました。赤、緑、金を使用しクリスマスをイメージしています。

 こんにちは。いけばな講師のYoshimiです。年明けから落ち着かない日々が過ぎていきましたが、今年も残すところわずかとなりました。私の12月は例年であれば新年の準備をしたり、クリスマスにまつわるイベントがあったりと、毎年気ぜわしさと共に年が暮れていきます。シドニーの街も金曜日の午後にもなるとお酒を飲み始める人々の姿が見られ、賑やかさが街を包んでいました。

 人と近くでコミュニケーションを取ったり楽しく会食することが、生活の中でどれほどの潤いであったことか、そのことが不自由になって初めて気付くことができました。しばらくの自粛生活を経験し、人とのつながりや喜怒哀楽を共にする仲間の存在は掛け替えのないとても大切なものだと感じます。最近ではオンラインを通して華道のお稽古やテレワークを始め、新しいスタイルに戸惑いながらも少しずつ以前の生活を取り戻してきました。

 いけばなをオンラインで始めようかと思案していたころ、「前代未聞、そんなことは無理だ」と思っていました。しかし始めてみると意外にスムーズで、花を通して人とコミュニケーションができることに変わりはなく、平日は毎日楽しくお稽古しています。何でもやってみるものですね。


 今月のお花は、クリスマス・カラーで「乾杯」をイメージして創作しました。スパークリングの泡が弾け出るように黒点を面になるように入れて、グラスを高らかに上げる喜びを大輪菊で表しています。国境が開けて「乾杯」とグラスを片手に家族や仲間と集える日が1日も早く訪れることを祈っています。

 本年も花のある生活flower-in-lifeをご愛読くださり誠にありがとうございました。2021年が皆様におかれましてすばらしい1年となりますようにお祈り申し上げます。

このコラムの著者

Yoshimi

Yoshimi

いけばな講師。幼少期より草月流を学ぶ。シンガポールでの華道活動を経て、現在はシドニーでいけばな文化芸術の発展に務める。令和元年には世界遺産オペラ・ハウスで日本伝統芸能祭に出演。華道教室を主宰。オンラインレッスン開催中。
Web: 7elements.me

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