日本ラグビー界では現在、オーストラリア、ニュージーランドなど世界の強豪チームでの代表経験を持つ選手が多数プレーしており、日本のレベルアップにひと役買っている。そこで、かつて豪州で活躍し、現在は日本に舞台を移した元ワラビーズの選手たちについて日本からリポートする。 文=山田美千子/写真=山田武
豪州関係選手・スタッフ退団状況&スーパー・ラグビー開幕
9月21日のラグビー・ワールド・カップ(以下、RWC)日本大会開幕まで半年ちょっと。街中では思いも寄らないところで大会マスコットの「レンジー」と遭遇する機会が増え、東京・渋谷では年末に一度は外された大会の街灯タペストリー広告が再登場するなど、RWCの足音が近付いてきていることを感じる。
そんな日本では1月で2018/19年シーズンが終了。以前は夏までラグビー・シーズンは長い休みに入っていたが、サンウルヴズのスーパー・ラグビー(以下、SR)参戦以降、その景色が一変。国内シーズン終了=SR開幕となったからだ。
そうは言っても、選手やコーチ陣の契約は国内シーズン終了ごとで、この時期には退団選手・スタッフの発表が相次ぐ。そして、寂しさと感謝の気持ちとが入り混じった複雑な心境に陥る。
2月11日現在、退団が発表されているオーストラリアとゆかりのある選手・スタッフは、以下の通り。
- リコーブラックラムズ:マット・コベインHC(2016~18年)
- トヨタ自動車ヴェルブリッツ:タイ・マクアイザックFWコーチ(2017~18年)
- 神戸製鋼コベルコスティーラーズ:アダム・アシュリークーパー選手(2017~18年)
- 近鉄ライナーズ:アンソニー・ファインガ選手(2016~18年)
- クボタスピアーズ:ダン・リアム選手(2017~18年)
サントリーサンゴリアス、パナソニックワイルドナイツ、豊田自動織機シャトルズなどからは現時点でまだ発表がされていないため、確認でき次第、報告していきたい。
アシュリークーパー選手については、昨年のワラビーズのスプリング・ツアーで欧州遠征に参加していただけに、ついついRWCスコッドを期待してしまうのだが、果たしてどうなるのか。まずは、SRのワラタスでの活躍を期待したい。
そのSRの日本国内での開幕戦は2月23日。今年の冬は暖冬と言われるが、2月に入って東京や千葉でも二度の降雪が記録されており、真夏の南半球からの来日すると寒さが一層身に染みることだろう。国内開幕戦の相手はワラタス。2019年スコッドを見ると、マイケル・フーパー選手を筆頭に現役ワラビーズ選手が多数所属している。そろそろ優勝をつかみ取っても良いころだ。SRとRWCの2冠をオーストラリアが手にすることができるのか。今シーズンもワクワク感が止まらない。