オーストラリアの日系コミュニティー・ニュースをお届け!
Japanese Community News
オーストラリアにおける日系コミュニティーのニュースや最新情報を紹介していくと共に、シドニーを中心に各地で行われるセミナーやイベントの告知や報告などを掲載。
竹若敬三・在シドニー日本国総領事
離任レセプションを開催
7月15日に在シドニー日本国総領事を離任した竹若敬三・在シドニー日本国総領事の離任レセプションが7月2日、同総領事公邸で開かれた。
第29代オーストラリア連邦首相・マルコム・ブライ・ターンブル氏やNSW州最高裁判所のトム・バサースト氏など州政府関係者を始め、文化人、ビジネス界代表者、日系コミュニティー代表者など、在任中に親交のあった100人近くの参加者が2年8カ月の在任期間中、日本とオーストラリアの交流を積極的且つ柔軟に推し進めてきた竹若総領事の離任を惜しんだ。
NSW州日本特命大使のボブ・セイドラー氏やシドニー日本商工会議所会頭の小山真之氏が壇上で竹若氏に謝辞を送った他、「和太鼓りんどうシドニー支部」による太鼓パフォーマンスも行われた。竹若総領事は、離任のあいさつで在任期間を振り返り「仕事を成し遂げることができたのは、周りの温かさや協力のお陰である」と日系コミュニティー、オーストラリア政府、そして共に働いたスタッフたちに向け感謝の意を伝えた。
また、竹若総領事は在豪日本人に向けて「日本からオーストラリアに来ている方々の魅力、団結力はオーストラリアの人びとからも大いに評価されています。これからも、日本の魅力や文化のすばらしさを発信して行ってください。我々は精一杯応援します」とエールを送った。
「JETプログラム」参加者27人を歓送
2019年度外国青年招致事業(JETプログラム)の参加者のための歓送会が7月22日、在メルボルン日本国総領事公邸で行われた。VIC州政府、自治体国際化協会(CLAIR)シドニー、JETプログラム経験者同窓会(JETAA)、メルボルンJCCI、日本人学校、日本語教育関係機関などから約40人が同席し、同月28日に日本に向けて出発するVIC州のプログラム参加者27人にエールを送った。
同プログラムは地域レベルでの草の根の国際化を推進することを目的に、地方自治体が総務省、外務省、文科省及びCLAIRの協力の下に実施、参加者は小・中学校の外国語指導助手や国際交流員、スポーツ国際交流員として日本各地に派遣される。今年で32年目を迎え、招致国は初年度の4カ国から54カ国に、参加者も848人から5,528人へと発展した(19年7月現在)。今年は豪州から125人、VIC州から36人が参加する。
参加者の1人で、秋田市の小学校で外国語指導助手を行うというデービッド・ケリーさんは「小学生のころから日本に憧れ大学で日本語を学んだ。東北に行くのは初めてなので、雪、お米やお酒、美しい景色に出合えるのが楽しみ。この経験を生かして将来は日本語の先生になりたい」と話し、期待に胸を膨らませていた。
新会頭に宮地氏(オーストラリア三菱商事会社)
シドニー日本商工会議所・第62期総会を開催
シドニー日本商工会議所は7月26日、第62期(2019/20年度)定時総会を開催した。「第61期(2018/19年度)事業報告書(案)」及び「同収支決算報告書(案)」について審議し、いずれも原案の通り承認された。
その後、第62期の役員を発表し、新会頭には宮地宏氏(オーストラリア三菱商事会社)が就任した。なお、新年度の役員は下記の通り。
【2019/20年度シドニー日本商工会議所役員】(敬称略)
<会頭>
宮地宏(オーストラリア三菱商事会社)
<副会頭>
小山真之(豪州三井物産)
末永正彦(豪州日本製鉄)
<理事>
井上大輔(伊藤忠豪州会社)
笠原昌哉(JTBオーストラリア)
桑田成一(丸紅オーストラリア会社)
河野篤哉(みずほ銀行)
齊田忠勇(オーストラリア住友商事会社)
下前原博(双日豪州会社)
高原正樹(ジェトロ・シドニー事務所)
宝本聖司(日本航空株式会社)
中城英喜(三菱UFJ銀行)
馬島知恵(日立オーストラリア)
森本篤志(三井住友銀行)
吉田智(キヤノン・オーストラリア)
<監事>
大庭正之(KPMG)
菊井隆正(アーンスト・アンド・ヤング)
■シドニー日本商工会議所
Tel: (02)9223-7982
Email: info@jcci.org.au
Web: www.jcci.org.au
新会長に中城氏(三菱UFJ銀行)
シドニー日本人会・2019/20年度総会を開催
シドニー日本人会は7月26日、2019/20年度通常総会を開催した。「2018/19年度事業報告書(案)」及び「同収支決算報告書(案)」について審議し、いずれも原案の通り承認された。
その後、2019/20年度の役員を発表し、新会長に中城英喜氏(三菱UFJ銀行)が就任した。なお、新年度の役員は下記の通り。
【2019/20年度シドニー日本人会役員】(敬称略)
<会長>
中城英喜(三菱UFJ銀行)
<副会長>
井上大輔(伊藤忠豪州会社)
桑田成一(丸紅オーストラリア会社)
齊田忠勇(オーストラリア住友商事会社)
<財務担当理事>
河野篤哉(みずほ銀行)
<理事>
笠原昌哉(JTBオーストラリア)
小山真之(豪州三井物産)
下前原博(双日豪州会社)
末永正彦(豪州日本製鉄)
宝本聖司(日本航空株式会社)
馬島知恵(日立オーストラリア)
宮地宏(オーストラリア三菱商事会社)
森本篤志(三井住友銀行)
八重樫好則(在シドニー日本国総領事館)
吉田智(キヤノン・オーストラリア)
<監事>
大庭正之(KPMG)
菊井隆正(アーンスト・アンド・ヤング)
■シドニー日本人会
Tel: (02)9223-7546
Web: www.jssi.org.au
Email: jss@jssi.org.au
ACOアカデミー・オーケストラ
シティー・リサイタル・ホールでコンサートを開催
オーストラリア室内管弦楽団「Australian Chamber Orchestra(ACO)」が、未来の音楽家を育てるプログラムの一環として2012年に発足した「ACOアカデミー」は7月12日、シティー・リサイタル・ホールでコンサートを行った。同コンサートでは、YouTubeオーデションの審査を通過した24人の高校生以下の子どもたちが約1週間のリハーサルを行い、ACOのメンバー9人と共にその集大成をステージで披露した。
子どもたちは体を軽やかに動かしながらバイオリンで力強い音色を奏でた。同オーケストラの音楽監督兼リーダーを務めた、オーストラリア在住の日本人バイオリニスト・後藤和子(あいこ)氏は同コンサートについて「ACOアカデミーだけに限らず、若い人たちと一緒に音楽を学び、リハーサルやコンサートをしていると彼らからたくさんのことを学びます。若い人たちのエネルギーと才能の可能性が無限にあるということを感じると共に、彼らが一生懸命努力している姿をとても誇らしく思います」と語った。
次回の「ACOアカデミー」のコンサートは、2020年にメルボルン、2021年にシドニーで開催が予定されている。
ジャパニーズ・ケアラーズ・グループ、学習会を開催
シドニー北部を拠点に活動する障がいを持つ子どもの親の会(NPO)「ジャパニーズ・ケアラーズ・グループ」は6月26日、「TAFE Hornsby Campus」から障がい者担当のリリアン・ホンさん、「atWork Australia(Disability Employment Services)」からゾーイ・ダニエルさん、通訳として京子プラックストンさんを招き、チャッツウッドにある「atWork Australia」のオフィスでで学習会を開催した。
同学習会は「ハイスクール卒業後の選択肢及びTAFEにおける障がい者への受け入れ態勢と可能性等」というテーマの下行われ、参加者は障がい者の高校卒業後の進路について学んだ。
参加者からは「特別な支援が必要な人に対してのサポートやどんなオプションがあるのかなど、知らなかった情報が多く参考になった」などの感想が寄せられた。
同グループは毎月2回定例会を行っている。参加希望者は下記まで連絡を。
■ジャパニーズ・ケアラーズ・グループ定例会
日時:毎月第2、4水曜日10:30AM~12:30PM
Tel: 0411-139-872(代表:ひとみグッドウィン)
Email: japanesecg@gmail.com
マッコーリー大学日本語学部
日系企業インターン受け入れ先を拡大
マッコーリー大学日本語学部では、必須科目「PACE」の一環として、同学部の3年生を2~4週間日本に送り、職場体験・研修の機会を与えるプログラム(JPNS360 Working with and for People in Japan)を行っている。校内だけでは学べない日本独特の企業文化に触れられることから、日本で働きたいと思っている学生に人気が高まっている。それに伴い、学生の受け入れ先の拡大を迫られており、日本のみならずシドニーの日系企業にも受け入れを求めているという。同プログラムは学生が渡航費、滞在費、食費など全てを自ら負担するため、彼らの労働力が受け入れ先への貢献になる。学生らは翻訳やウェブサイトの英語版の作成、リサーチ・アシスタントなど企業のニーズに合わせて柔軟に対応するという。問い合わせは下記まで。
■問い合わせ
Email: mio.bryce@mq.edu.au(担当:ミオ・ブライス)
名古屋市から副市長と市会議員団が来豪
名古屋市の廣澤一郎副市長が7月20日~26日、シドニー市で開催されたフューチャー・アジア・ビジネス・サミットに出席するため来豪した。それに伴い、名古屋市会シドニー市姉妹都市交流公式代表団の岡本やすひろ副議長、西川ひさし議員、服部将也議員、さわだ晃一議員も、シドニー市への表敬やシドニー市姉妹都市交流公式行事に参加すると共に動物園施策調査などの目的で来豪した。
廣澤副市長及び名古屋市会団は、同サミットでクローバー・ムーア・シドニー市長から歓迎を受けると共に、廣澤副市長が名古屋市を代表してシドニー市民に向けてあいさつを行った。また、記念品として名古屋の特産品である有松絞のテーブル・クロスが贈られた。
同サミット後は、ロバート・コック・シドニー市会議員を表敬訪問し、来年40周年を迎える姉妹都市交流についての連携強化について話し合いが行われた。環境問題対策やビジネス面での連携強化、食文化も含めた文化面での交流や次世代を担う子どもたちによる交流の促進などについても議論され、今後も40周年に向けてさまざまなアイデアを出し合い、両市で記念すべき年を盛り上げて行くことが確認された。
マグロの解体&オークション・イベント開催
<シドニーCBDグレイス・ホテル内にある日本食料理店「ゴールド・クラス達磨」で7月6日、マグロの解体ショーが開催された。マグロの国際的な卸売業者「ツナ・ソリューションズ」が主催した、マグロの解体と切り身のオークションをエンターテインメントとして観客に見せるシドニー初の有料イベントで、約70人が参加した。
長年シドニーの日本食レストランを中心に魚を卸しているバイヤーの石井誠人氏(ピアモント・シーフード)が、体長約120センチ、重さ45キロのミナミマグロを解体。部位の細かな説明をしながらマグロ包丁で豪快にさばいていく様子に、参加者は釘付けになった。
その後、参加者に向けてマグロの部位ごとにオークションが行われ、落札者には落札した部位が特別メニューとして提供された。同イベントでは、さばかれたマグロの刺し身やすしを含むコース料理と日本酒が提供され、参加者はマグロのとろけるような上質な脂のうまみに舌鼓を打った。
小説『奇跡の島〜木曜島物語〜』
出版記念イベントに100人
オーストラリア北部の木曜島出身の女性が、生き別れになった実父と56年ぶりに沖縄で奇跡の再会を果たした実話をベースにした小説『奇跡の島~木曜島物語~』(沖縄教販刊)の出版記念イベントが6月29日、シドニー紀伊国屋書店で開催された。
同イベントでは、作家で映画監督のロジャー・パルバース氏をゲストに迎え、元民放テレビ局アナウンサーの加藤久恵氏が司会を務めた。また、豪州かりゆし会メンバーらによる沖縄伝統の踊りエイサーと三線のパフォーマンスが披露され、シドニー在住の著者、飯島浩樹氏が小説の内容やテーマである「意味のある偶然の一致」などについて語った。
会場は、約100人の参加者で埋まり、立ち見が出るほどの盛況だった。木曜島だけでなくシドニーやケアンズ、ダーウィンなどの情景描写を含む同作品は、シドニーの紀伊国屋書店で購入できる他、沖縄県内の各書店やアマゾン、楽天市場などのオンライン・ストアでも入手できる。
■『奇跡の島~木曜島物語~』
Web: www.kisekinoshima.com
ブリスベン在住の書道家・小島舟豊氏、外務大臣表彰受賞
書道を通じた日本とオーストラリアとの文化交流の促進の功績が認められ、ブリスベン在住の小島榮松(通称:小島舟豊)氏の令和元年度外務大臣表彰が決まった。
同氏は、1993年にブリスベンに移住して以降、書道教室を主宰し同地で書道の普及に尽力している。特に、同地で実施されている茶道・華道などの日本文化紹介事業である「日本文化の日」においては移住初年より携わり、毎回書道を紹介する教室を実施している。また、94年から各地の学校の要望に応じ年に7~10回程度、学校訪問し書道教室を実施するなど、書道を通じた日本文化紹介に長年貢献している。
ノースショア日本語学校、学園祭を開催
シドニー北郊にあるノースショア日本語学校(キラニー・ハイツ高校借用)は8月31日、毎年恒例の学園祭「キラキラ☆キラニー祭り」を開催する。
同学園祭は、「児童・生徒、教員、保護者、全員参加の学校」を目指す同校の親交イベントで、学校関係者の他、地域住民も参加できる。牛丼や豚汁、たこ焼きや焼き鳥などの食べ物を始め、ゲームや工作、フェイス・ペイントやバルーン・アート、お化け屋敷など家族で楽しめるアクティビティーが用意される。
■キラキラ☆キラニー祭り
日程:8月31日(土)12PM~3PM
場所:Killarney Heights High School(Starkey St., Killarney Heights、入り口はMelwood Ave.側/Starkey St.側の2つになる予定)
Email: nsjpschool@gmail.com(問い合わせ先)
Web: www.nsjs.com.au
書家・れん氏、カウラ市に豪日友好の書を寄贈
戦時中の日本兵補両集団脱走事件「カウラ・ブレイクアウト」の舞台となったニュー・サウス・ウェールズ州中部カウラ市では、事件から75年を迎える8月5日、戦没者慰霊式が行われる。それに伴い、本紙コラムでもおなじみのシドニーを中心に活躍する書家れん氏が、3月15~17日、カウラで開催された多文化祭に訪れた際に寄贈した書が、同市のカウンシルの会議室に展示されている。75年間の感謝と未来の友好祈願を兼ね寄与された「豪日友好」の書は一般公開されている。
40回目の日豪セミナー
多文化主義の行方は
オーストラリアが大好きな人たちのため、オーストラリアが大好きな人たちによる、オーストラリアについての勉強会「第40回日豪合同セミナー」が6月1・2日に東京郊外の野猿峠にある八王子の大学セミナー・ハウスで開かれた。講師を含め約40人が参加。セミナー実行委員会(代表・白江英司さん)のメンバーがボランティアで運営。5つの分科会で日豪関係を話し合い、夜はオーストラリア産ワインとチーズで交歓パーティーを楽しんだ。
リチャード・コート駐日大使が「今年は日本でラグビー・ワールドカップ、2020年に東京五輪があり、スポーツ外交の時だ」とメッセージを寄せた。
基調講演では、慶応大学名誉教授・関根政美さんが「多文化主義国家オーストラリア」をテーマに軽妙な語り口で1時間半ほど解説した。「白豪主義のオーストラリアが、多文化主義になって40年ほど経つ。ホイットラム、フレーザー政権の時代の1980年ごろ始まった。ニューヨークで起こったテロ事件9・11後に、ムスリム系移民が増え、多文化社会は終わった」と関根さんは分析。「みんな仲良くの社会が競争の世の中に変わった。競争に負けた人は、テロリズムに走る。多文化共生が多文化競生になった。移民や難民も、自分より後から来た移民、難民を嫌う。多文化主義は2007年に終わり、17年には移民省が廃止され、内務省となった。政治は変わった。しかし、人びとは多文化の日常の中で生きている」と関根さんは言う。
時代別でいうと、「共生」は1980年代、「競生」が1990年代。2000年代は「凶生」で、2010年代は「矯生(きょうせい)」の時代だという。関根さんは「最近の日本は留学生、出稼ぎ、研修者という形で外国人が増えて、多文化社会になりつつある」と、興味深い講義だった。
日豪貿易のパイオニア
日豪セミナー第4分科会では、日豪貿易のパイオニア「兼松房治郎」がテーマで、シドニー生まれの商社マンOBの曾野豪夫(たけお)さん(86)が130年間のビジネス史を紹介した。曾野さんは、総合商社・兼松(かねまつ)の社員だった。その後、オーストラリア政治の駐日投資促進顧問を務めた。
兼松房治郎は、大阪の商業人で、大阪毎日新聞も経営。論説を書くため資料を調べる中でオーストラリアという未知の国を知った。明治23年(1890年)、シドニーへは船旅の時代だった。
兼松は、いわゆるウール(羊毛)バイヤーのさきがけ。当時は、羊毛は英国商社経由で輸入していたが、兼松は、シドニー港から自前で買付けた羊毛を日本に直接輸出した。明治維新で役人、軍人、警官、鉄道員、教職員が制服や背広用に毛織物で洋服を作るようになり、羊毛の需要は急増した。兼松は独占的な羊毛輸入商となった。
兼松房治郎は、初の訪豪時に大阪毎日新聞に「豪州通信」として、記事を送り、豪州市場の動向を日本に伝えた。
ところで曾野さんの父、近一さん(太平洋戦争で戦死)は、豪州兼松シドニー本店に昭和2年(1927年)から、太平洋戦争が始まる昭和16年(1941年)まで勤務。曾野さんは、昭和8年(1933年)に豪州で生まれ、豪夫と名付けられた。
曾野さんは、兼松に就職したが残念ながらユーゴスラビア勤務。定年前の55歳の時、駐日投資促進顧問となり、オーストラリアとの縁はつながり、娘も兼松に入社。一家は2010年からメルボルンで暮らし、曾野家はオーストラリアと4代80年関わることになったのを誇りにしている。
また、曾野さんは、日豪プレス紙に「写真で語る日豪史」を50回にわたり連載。2000年に1冊の本にまとめ出版している。(投稿=東京・青木公)
日本将棋連盟オーストラリア支部
6月の大会を終え、次のステップへ
日本将棋連盟オーストラリア支部は、6月に「オーストラリア将棋リーグ2019」を行った。出場者は、シドニー5人、キャンベラ3人、アデレード1人、計9人で、1カ月を通した熱いリーグ戦となった。アデレード在住のマレーシア人留学生が優勝し、日本だけでなく世界でも将棋が親しまれているということが認識された戦いとなった。
同支部は、オーストラリア国内でも、シドニー、メルボルン、キャンベラに続き7月9日にブリスベンにも将棋クラブを発足し、活動の幅を広げている。今後は、国内だけでなく、世界の将棋連盟と交流を深め、大会などを行っていく予定。その活動の先駆けとして、8月11日には、タイのバンコクの将棋クラブとオンラインで将棋のチーム戦の開催が予定されている。
また、日本将棋連盟オーストラリア支部長・松本秋馬氏は、テリー・ヒルズにあるシドニー日本人国際学校の放課後将棋クラブの講師を務めている。同氏が所属するシドニー将棋クラブは8月18日に同校で、8月31日にシドニー北郊に位置するノースショア日本語学校の学園祭に将棋ブースを出すことが決まっている。
SBSラジオ日本語放送8月のハイライト
SBSラジオ日本語放送は毎週火曜日、木曜日、土曜日の午後10~11時に番組を放送している。オーストラリアのニュースや気になる話題、各方面で活躍する人びとへのインタビューなど、盛りだくさんの番組は、AMラジオ1107khzにチューンを合わせる方法と、デジタル・テレビのデジタル・ラジオ「SBS Radio1」を選択する方法で聞くことができる。
8月のシドニーサイドでは、10月からシドニー公演がスタートする、シルク・ド・ソレイユの「Kurios」に出演する唯一の日本人ダンサー・池田一葉(かずは)さんや、日本の大学の女子相撲部で活躍する紅谷樹里(べにやじゅり)さんのインタビューなどを放送予定。7月にシドニーで行われた日本のポップ・カルチャーの祭典「SMASH!」のゲストで来豪した声優の阿部敦さんと鳥海浩輔さん、また日本の太鼓集団「鼓童」の名誉団員で、シドニーの太鼓グループ「TaikOz」と7月にツアーを行った小島千絵子さんのインタビューなど、聞き逃してしまった先月の放送もSBSのウェブサイトで聞くことができる。
なお、毎月最終週の木曜日には、日豪プレス翌月号の見どころや取材の裏話などを編集部スタッフが紹介している。次回は8月29日(木)放送予定。
■SBSラジオ日本語放送
Email: Japanese.program@sbs.com.au
Web: www.sbs.com.au/Japanese
Facebook: www.facebook.com./SBSJapanese
■NSW州立美術館・日本語ボランティア・ガイド便り
ジェフリー・スマート(Jeffrey Smart):構築された世界(Constructed World)展
NSW州立美術館は、20世紀末のオーストラリアン・アートにおいて特徴的な都会の風景を生み出した画家、ジェフリー・スマートの作品を最も多く収蔵しており、2013年に91歳で他界した彼の遺品から27点ものスケッチや素描の寄贈を受け、現在、そのハイライトを初展示する展覧会を無料で催しています。
スマートは、70年にも及ぶ画業において、現世離れしたニュアンスを持つインダストリアルな世界の静寂と美を捉えた独特の写実スタイルを作り上げました。明るい色彩と幾何学的に合成された構図の構築で描き出された都会の道路や標識、バスの駐車場、駅やトラックやアパート、ビルが無機質に潔く描かれ、背景となる空や雲に時間、光、天候を感じさせる描写のコントラストも絶妙です。
同展では、寄贈を受けたスケッチや素描に並べて、完成した代表作や油彩作品を展示し、独特の都会の姿を構築する彼の創作の一端をご覧頂けます。また、彼のキャリアにおける各ステージと制作地、アデレードでのキャリアの初期、シドニーにおける1950年代から60年代、代表作を生み出すイタリアでの後半生が映し出されています。
展示の1つに、スマートが日本滞在中、走る列車の窓から見たトタン・フェンスのある風景のスケッチがあり、そこには、カタカナ、ひらがな、漢字も描かれていて、その時のインスピレーションが同品の隣に展示されている代表作に反映されているのが分かります。彼の創作過程の思わぬところに日本が関わっているのを発見して、ちょっとうれしくなります。同展は、「Lowy, Gonski」展示室で、9月29日まで開催されています。
(NSW州立美術館コミュニティー・アンバサダー:鴨粕弘美)
■ジェフリー・スマート(Jeffrey Smart):構築された世界(Constructed World)展
日時:開催中~9月29日(日)10AM~5PM (水曜のみ10PMまで)
場所:Art Gallery of New South Wales, Lowy, Gonski (Art Gallery Rd., The Domain NSW)
料金:無料
Tel: (02)9225-1700
Web: www.artgallery.nsw.gov.au
■無料日本語ツアー
<常設展ハイライト・ツアー>
日時:8月中毎週金曜日(2日、9日、16日、23日、30日)11AM~
<アーチボルド展ツアー>
日時:8月中毎週土曜日(3日、10日、17日、24日、31日)11AM~
備考:8月中のみ催行。要入場券(ツアー開始前に展覧会入場券の購入が必要)