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オーストラリアの翼カンタス、半期決算は増収減益 供給増と料金低下が利益押し下げ

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休暇需要はコロナ前水準に近づく

カンタス・グループのバネッサ・ハドソン最高経営責任者(Photo: Qantas Group)

 カンタス航空やジェットスターなどを運営するオーストラリアのカンタス・グループは22日、2023-24年度(23年7月1日〜24年6月30日)の中間決算を発表した。これによると、同年度上期(23年7月1日〜12月31日)の売上高は111億2,700万豪ドル(約1兆1,000億円)と前年同期比で12.3%増えた。税引き前基礎的利益は12億4,500万豪ドル(12.8%減)、法定税引き後利益(最終利益)は8億6,900万豪ドル(13.2%減)となり、増収減益となった。

 減益の要因は、コロナ禍からの回復が継続し、航空料金や輸送能力が引き続き正常化したことにあるとしている。料金低下による有効座席キロ(ASK)当たりの売上高の減少が、利益を約6億豪ドル押し下げた。この一方で、ASKベースで供給は前年同期比で25%、送客数が330万人それぞれ増加したことで、供給拡大による利益押し上げ効果は4億8,500豪ドルに達し、利益の縮小を一定程度、相殺したという。

 カンタスは声明で「旅行需要は引き続き力強い。特に休暇需要はビジネス需要を上回っており、コロナ感染拡大前の水準に近づきつつある」と指摘した。国内線では内装リニューアルや新機材の導入を進めるほか、国際線では24年末までに順次無料WIFIを提供するなど顧客サービスの向上に投資する。約2万4,000人の従業員を対象に1人当たり500豪ドル分の旅行費を補助し、福利厚生にも努める。

 いわゆる「幽霊フライト」問題など、相次いだ不祥事から建て直しを図るバネッサ・ハドソン最高経営責任者(CEO)は「私たちの(信頼回復の)旅はまだ時間がかかるが、従業員の士気は高く、私たちは達成を楽観的に見ている。カンタス・グループを皆が誇れる組織にしていく私たちの取り組みを支えてくれている顧客とパートナーたちに感謝したい」とコメントした。

■ソース
Qantas Group HY24 Appendix 4D and Interim Financial Report

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