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「グリーン水素」、わざわざアンモニアに変えるのはなぜ? 西豪州で世界最大級プロジェクト

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実現可能性調査スタート 実現に向け前進

 西オーストラリア州北東部キンバリー地区で計画中の世界最大級の「グリーン水素」プロジェクトが、実現に向け一歩前進した。オーストラリア再生可能エネルギー局(ARENA)が19日、第1段階のフィージビリティー・スタディー(実現可能性調査)を開始すると発表した。

 ARENAによると、全体のプロジェクトが実現した場合、再生可能な水素・アンモニアの生産拠点としては世界屈指の規模となるという。開発費の総額は27億〜32億豪ドルとなる見通し。

 計画では、西オーストラリア州パースの北東約2,100キロ(直線距離)に位置する人造のダム湖、アーガイル湖付近に、出力約1,000メガワット(MW)の太陽光発電所と850MWの電気分解施設を建設する。水から年間5万トンのグリーン水素を生産し、北西へ約100キロ離れたウィンダムにパイプラインで運ぶ。

 ここで、既存の水力発電所で発電した再エネを利用して年間約25万トンの「グリーン・アンモニア」に改変。ウィンダム港から主にアジア諸国向けに輸出する。国内需要にも対応する。

 次世代エネルギーとして期待される水素のうち、グリーン水素は、再生可能エネルギーのみを使って水を電気分解して生産する。このため、使用時だけではなく、サプライチェーン全体を通して温室効果ガスを排出しないという利点がある。

 ただ、常温で気体の水素を大量に輸送するには、マイナス253度以下で液化しなければならない。このため、低温に耐える運搬船など特殊なインフラが必要になり、コストがかかる。一方、アンモニアは沸点が高く、常温でも圧力をかけると簡単に液化する。大量輸送に向いており、既存の技術も利用できることから、水素の運搬手段として注目されている。

■ソース

ARENA backs First Nations hydrogen ambitions(ARENA)





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