3か月の間隔をあければ効力増大の調査報告も
オクスフォード大学/アストラゼネカ社のコロナウイルス・ワクチンは、ファイザー/バイオンテック・ワクチンに比べて効力が弱いという試験結果が出ていたが、今回2回の接種の間隔を開くとさらに効力が増すことが突き止められた。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
オーストラリアではアストラ・ゼネカ・ワクチンの入荷が伸びていることから2回の接種の間隔を3か月まで延ばすことを決めており、はからずもオーストラリアの措置が良しとされる結果になった。
このデータは、同ワクチンを開発した科学者が行った新しい調査から得られたもので、2月22日発行のランセット誌に掲載されており、2度の接種の間隔が6週間未満だと症候型の感染を防ぐ効力は54.9%とかなり低い結果になっている。
ところが、12週間の間隔を空けて接種すると効力が82.4%ほどまで上昇する。
この報告が正しいとすると、世界各国が予定より広範囲に1回目の接種をした後、2回目の接種までワクチンの納入を待つ余裕ができることになる。
ただし、イギリス、ブラジル、南アフリカで何千人かを対象に実施した臨床治験のデータはまだ不確定なままになっている。そもそもこの治験も初めから1回目と2回目の接種の間隔を空けた試験を目的としたものではなく、たまたま試験に用いるワクチンの製造が遅れたことによる事故であり、治験者は、被検者を適正にランダム化して試験することはできなかった。従って、他の原因を排除できないということになる。
シドニー大学のジェームズ・トリッカス医学微生物学教授は、「2回の接種の間隔を広げると効力が高まるという。しかし、その研究の効力の範囲に注目すればそれほど効力に違いがあると言えるだろうか? もっとも重要な問題、オーストラリアよりも他の国で重要なことは接種の間隔を広げても効力が下がらないということだ」と分析している。
豪医薬品管理局(TGA)では、2回の接種の間隔を4週間から12週間と定めているが、連邦政府の諮問機関、Australian Technical Advisory Group on Immunisationは、12週間の間隔を空けることを推奨している。
■ソース
AstraZeneca vaccine more effective the longer you wait for second shot, study shows