QLD州南東部でコロナウイルス様症状の感染症発生

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全生涯にわたって感染するが小児で重篤な症状

 2021年にはQLD州南東部でコロナウイルス感染症に似た呼吸系疾患を引き起こすRSVというウイルスが小児の間で流行するおそれがある。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 このウイルスはrespiratory syncytial virusと呼ばれ、呼吸器多核体ウイルス、呼吸器合胞体ウイルスなどの訳語が充てられている。

 感染力は強く、年齢を問わず感染するが、成人では重篤にはならず、主に18か月から2歳までの小児で症状が激しいというところはコロナウイルスと逆の傾向になっている。そのため、オーストラリア国内でコロナウイルス感染者がほぼゼロになって社会規制も緩和されているため、これまで予防されていたインフルエンザやこのRSVのようなウイルス感染症が増えることが気づかわれている。

 すでに、2020年比較で3倍の発生率になっており、感染した小児もほとんどが回復するがごく少数がICUでの治療を要するようになる。また、QLD州南東部で大流行が懸念されており、豪医師会サンシャイン・コースト地域支部のロジャー・フェイント支部長は、「サンシャイン・コーストの病院の小児病棟は先月くらいまで比較的静かだったが、学校が始まったことで小児のRSV患者が増えているようだ。これまで下痢、肺炎、呼吸器系感染も少なかったが、規制が緩むにつれてRSV患者が増えているようだ」と語っている。

 サンシャイン・コースト大学病院救急科では今年これまでに12人のRSV患者が出ている。ところが2020年同期では3人、2019年同期はRSV患者がゼロだった。

 RSVは肺に感染し、咳や悪寒がするようになる。ほとんどの場合軽く済むが、ごく一部で肺炎状の感染症を引き起こす。

 ゴールド・コースト大学病院救急治療科のデビッド・グリーン医科長は、「病院でRSV感染が広がれば医療職員に大変な負担になる。QLD州小児病院その他の州南東部の病院でもRSV患者が増えている」と語っている。

 フェイント医師は、「QLD州の社会規制が緩和されるとともに州民もコロナウイルス蔓延前の生活習慣に戻り始めており、それにつれてインフルエンザなど規制中は患者の少なかった感染症も再び勢いを盛り返すようになるだろう」と警告している。
■ソース
Fears illnesses other than COVID-19 will mar 2021 as RSV cases rise in south-east Queensland

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