ポーター法務長官、ABC放送を名誉毀損で告訴

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連邦首相に送られた「強姦被害」手紙報道巡り

 3月15日付ABC放送(電子版)は、クリスチャン・ポーター連邦法務長官がABC放送とジャーナリストのルイーズ・ミリガン氏を相手取って名誉毀損訴訟を起こしたことを伝えている。

 訴訟は、現役連邦閣僚に対する1988年に遡る強姦被害の申し立てを記した手紙がスコット・モリソン連邦首相に送られたとの報道に関するものと伝えられている。

 ポーター法務長官はこの申し立てを否定し、法務長官の弁護士は、「記事は法務長官に対する虚偽の申し立てだ」としている。

 ABC放送(電子版)の記事はポーター法務長官の名前を出していないが、ポーター法務長官の弁護士は、「記事は容易にポーター法務長官と判断できる内容だった。そのため、法務長官は『メディアによる裁判』の対象になっている。このようなことは直ちに終わらせなければならない。ポーター法務長官は名誉毀損裁判において宣誓の上で証言する機会を望んでいる」と述べている。

 ABC放送の広報担当者は、「ABC放送は訴訟において正当性を主張する」と語っている。

 ポーター法務長官は、手紙が報道された後、「手紙に示唆されている連邦閣僚は自分のことだが、手紙に述べられているような事実はない」と否定している。

 ABC放送の記事はこの手紙を基にしている。

 連邦裁に届けられた名誉毀損訴訟の陳述書は、ポーター法務長官の弁護士が執筆し、ABC放送とミリガン氏は、記事の文面からポーター法務長官と容易に判断でき、最終的に法務長官が自ら名乗り出なければならない事態になることを認識しておりつつ、ポーター法務長官の名誉を毀損する意図があった」としている。

 1988年に強姦被害を受けたと訴えていた女性は2020年6月に自殺しており、生前に警察に訴えたが訴訟を起こすことをためらっており、また、何人もの友人に語っていた。問題の手紙も女性の友人から労働党、緑の党の女性議員に送られ、両議員はモリソン連邦首相に手紙の内容を伝えている。

 ポーター長官は現在疾病休暇を取っている。
■ソース
Attorney-General Christian Porter launches defamation action against ABC

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