米中アラスカ会談での激しいやりとりに論評
3月20日、ダン・ティーハン貿易相は、「中国との貿易摩擦では、我が国はできる限りの支援を獲得しなければならない」と語った。
ABC放送(電子版)が伝えた。
3月18日、アラスカ州アンカレッジで開かれたジョー・バイデン米新大統領政権と習近平中国政権との初の外交対面会談は激烈な口論になり、米中新冷戦の始まりを裏付けるできごとになった。
テレビカメラに収められた口論でアントニー・ブリンケン国務長官は、中国がアメリカの同盟国に対して経済的に圧力をかけて屈服させようとする「経済強制」を行っていると批判した。
ティーハン大臣は、キャンベラでの記者会見でこのできごとに言及し、「オーストラリアは中国との貿易紛争解決を望んでいる。これに対するバイデン米政権の姿勢をありがたく思う。アメリカは再び(西太平洋地域問題に)戻ってきてオーストラリアの後ろ盾になろうとしてくれている。中国との貿易交渉でアメリカはオーストラリアを見放すことはない」と語った。
さらに、「中国との貿易紛争を解決するために、オーストラリアはできる限りの支援を獲得しなければならない。オーストラリアを支援する米政府に対して感謝している」と語った。
2020年、オーストラリア政府が、「中国湖北省武漢市でコロナウイルスが発生した状況を中立国際機関が調査すべきだ」とEUと共に提言したことから中国はオーストラリからの輸入品に高率の関税をかけたり、輸入禁止を命じるなどの行為に出た。これに対して、オーストラリアはWTOへの提訴や輸出市場を中国に頼りすぎていたとの反省に立って市場多角化を図り始めている。
バイデン大統領の新設インド太平洋調整官に就任したカート・キャンベル氏がシドニー・モーニング・ヘラルド紙のインタビューに答え、「アメリカはオーストラリアを野に置き去りにはしないし、アメリカの親密な同盟国が中国の経済強制の標的になっている間は米中2か国関係が改善されることはあり得ない」と語った。
ティーハン氏は2020年12月にサイモン・バーミンガム上院議員から貿易相の席を受け継いでおり、「豪中関係が悪化している問題を話し合うべきだという自分の意見が無視されてきた。私は2021年1月に中国の貿易担当者に書簡を送り、前向きに協力し合うべきではないかと書いたが、未だに返事を受け取っていない」と語っている。
■ソース
The US has ‘got our back’ on Chinese diplomatic disputes, says Australian Trade Minister Dan Tehan