「海外留学生受け入れのため、QLD州は代替案を」

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留学生受け入れの大学機関が隔離制度に意見

 国内のコロナウイルスがほぼ根絶され、海外留学生の大学復帰が現実の見通しになってきているが、海外留学生受け入れ機関は、「QLD州は留学生の大学復帰に最適な条件にあるが、州政府は、入国留学生をブリスベン西部の隔離施設に収容するという案にこだわり過ぎている。代替案を出すべきだ」との意見を挙げている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 ブリスベン市内に建てられた学生宿舎タワーは利用率が低いため、開発業者が一般入居者を募集する目的で訴訟を起こしている。

 学生宿舎タワーはコロナウイルス・パンデミック前には1万人の学生が入居していたが、現在は20%程度の入居率にとどまっており、このまま開学留学生に対しても国境閉鎖が続くようなら2021年末には入居率が10%程度にまで下がると懸念されている。

 オーストラリアの海外留学生教育産業は年間400億ドルにもなるが、パンデミック以来極端な落ち込みになっており、頼みの綱であった全国ワクチン接種プログラムも困難続きで延び延びになり、国境閉鎖解除もそれに合わせて予定が大きくずれ込んでいる。

 VIC州政府は現在のホテル隔離定員を大学復帰海外留学生に割り当てる案を出したがスコット・モリソン連邦政府がこれを拒否した。

 一方、学生宿舎管理の大手、スケープ・オーストラリア社のクレーグ・キャラハー会長は、「国内南部の州は海外留学生を呼び戻すことに熱心なのにQLD州政府はまったく熱心さに欠ける。アナスタシア・パラシェイQLD州首相は海外からの入国受け入れ枠を減らしたいとさえ言っている。大学に復帰したいという海外留学生に対して説明のしようがない」と語っている。

 一方、学生専用宿舎を一般住民に開放する計画はブリスベン市に拒否されており、開発業者はQLD州計画環境裁判所に持ち込んでいる。
■ソース
Queensland needs a ‘Plan B’ for international student return, sector says

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