豪医薬品管理局、因果関係究明調査開始
オーストラリア国内でアストラゼネカ・ワクチン接種を受けた後に血栓症を発症した患者がさらに3人増えており、合計6人になった。医薬品を認可する連邦政府機関、豪医薬品管理局(TGA)が、ワクチンと血栓症との因果関係を調査している。
4月23日付ABC放送(電子版)が伝えた。
TGAの発表によると、新たに発生した3人の血栓症患者には50歳を越えた者もおり、これまでの「アストラゼネカ・ワクチンは50歳未満には接種するな。50歳以上を1bカテゴリーに編入し、アストラゼネカ・ワクチンを接種、50歳未満は追加注文したファイザー・ワクチンを接種する」という決定にも疑問が出てくるようになった。
これまでに110万回の接種が行われており、6人とも「血小板減少症候群を伴う血栓症(TTS)」と診断されている。
新たに診断された血栓症患者はNSW州の35歳の女性、QLD州の49歳の男性、VIC州の80歳の男性と発表されている。
TGAのVaccine Safety Investigation Group (VSIG)は、「新規血栓症患者は3人ともワクチン接種後に発症している。いずれも容体は安定しており、治療にも良好な反応で快復に向かっている」と発表している。
さらに、「患者3人のうち2人はごく初期症状で医師が発見し、治療を始めたため、反応も良好。また、1人は血小板数が下限まで落ち込んでいる。また、この患者は、アストラゼネカ・ワクチン接種後26日に発症しており、異常に遅く発症したことになる」と発表している。
また、「1人は脳に血栓が発生したため、頭痛、鼻血、悪心、嘔吐などの症状が出た。他の2人は、ごく一般的なふくらはぎとふとももの深在静脈血栓症(DVT)と診断されていたが、後になって肺と脳にも血栓が見つかっている。
専門家パネルのAustralian Technical Advisory Group on Immunisation (ATAGI)によると、TTSはアストラゼネカ・ワクチン接種を受けた人の場合、100万人に6人の率で発生するが、50歳未満の間で100万人に20人から40人の率に急上昇する。ただし、オーストラリアの場合、まだ総数として小さいため正確な数字は出ない。
■ソース
TGA investigating three new blood clot cases in people given AstraZeneca vaccine