ホルゲート元豪郵便CEO、ライバル企業CEO就任へ

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日本郵政が売却の豪物流企業関連会社に

 功績のあった役員へのカルチェ高級時計贈与をめぐってスコット・モリソン連邦政府や世論によってオーストラリア・ポストCEOの座を追われたクリスティーン・ホルゲート氏が、オーストラリア・ポストのライバル物流企業、Global ExpressのCEOとして招かれていることが報道された。

 5月10日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 銀行業務の一部を郵便局で代行する契約を獲得した役員4人に報奨として1個2000ドル程度の高級時計を贈ったことが問題になった。オーストラリア・ポストは100%連邦政府株式所有の民営企業であり、法的には企業に貢献した社員に高級時計を贈ることは合法だが世論を受けてモリソン連邦首相らがホルゲート氏を非難し、ホルゲート氏の辞職に至った。

 その経緯は現在連邦議会上院調査委員会で調査が進んでおり、5月17日に結論が出される予定で、ホルゲート氏もモリソン首相らを批判する証言を行っている。

 日本郵政は2015年に物流企業Tollを65億ドルで買収したが、2021年4月にTollのオーストラリアとニュージーランドの事業を未公開株式投資会社、Allegro Fundsに売却しており、その事業がGlobal Expressとして発足する予定になっている。

 ホルゲート氏は、ABC放送のジャーナリスト、ピーター・ライアン氏のインタビューに答え、「Global ExpressのCEOに就任することは新しい一章を加えることになる。新しい会社のCEOとして活動できることを心待ちにしている。オーストラリア・ポストCEO辞職の6か月は試練の時だったが、これで一区切りがついた。過去の後始末が少し残っているが、これからは前向きで再建することになる」と語っている。

 Allegro Fundsのエイドリアン・ローダー氏はGlobal Expressの会長に就任することが決まっており、「8,000人以上の社員を擁する新会社には5億ドルを投資する用意をしている。競争企業がうらやむような資産を備えた親会社に5億ドルの資金。その上に業界をリードするCEOを迎え、Global Express社が長年にわたって繁栄することは間違いない」と語っている。

 ホルゲート氏は、連邦議会上院調査委員会の報告書発表の後でオーストラリア・ポストに対して訴訟も選択肢として考えているが、オーストラリア・ポストの役員会はホルゲート氏との和解交渉に入ることに同意しているが、条件や交渉の結果を公開するよう要求している。

 モリソン首相に対する考えを訊かれたホルゲート氏は、「首相に謝罪を要求したが今もその考えは変わっていない。いつでも謝罪してもらえれば受け入れる用意がある」と語っている。
■ソース
Former Australia Post boss Christine Holgate to run rival Global Express

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