NSW州農村地帯のネズミの害悪化の一途

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作物全滅など経済と公衆衛生の危機に発展

 NSW州内陸部の農村地たちでは長期の旱魃の後に大量の雨が降り、作物の豊作が期待されていたが、同じように作物の豊作でネズミが食料の増加に合わせて爆発的に増えている。

 5月11日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 そのため、ネズミの被害を受けている農場に対して$25,000のリベートをNSW州政府に求め、「ネズミの害は経済、公衆衛生双方に重大な問題になっている」と発言する農場が出ている。

 また、NSW州の農民ロビー・グループやCountry Women’s Association(CWA)などのグループが政府の援助を求めている。

 一部の農家では15万ドルで毒餌も仕掛けているが、ネズミの数が増える一方で冬の作物への影響を深刻に考えている。また、夏の作物が100%無になったとする農家もある。

 NSW Farmersのピート・アークルCEOは、「リベートはネズミの害を受けている農家すべてに適用されるべきだ。穀物生産者は多額を投じてネズミの毒餌を空からまいている。アダム・マーシャル農相にはこの問題を真剣に考えるよう要求している。この冬はやや温暖多雨が見込まれており、春になれば再びネズミの害が大きくなることが予想される」と語っている。

 また、CWAもロビー・グループと協力して援助を求めており、「ネズミによる危機は農家の精神衛生にも悪影響を与えており、同時に市町部の住民も繁殖するネズミの害を防ぐために苦労している」と語っている。

 CWA NSWのダニカ・レイズCEOは、「政府は直ちに行動を起こさなければならない。現状はもはや農業危機の段階を超えて公衆衛生危機になっている。政府にはこれが危機だという認識を持ってもらいたい」と語っている。

 今年の気候は冬まきの作物に適した条件になっているが、一部の地域では作物が育つ前にネズミにやられてしまうおそれがある。一方、毒餌メーカーでは製品の毒性を倍加する認可を受けているが、製品の需要が拡大しているため、製品を手に入れることも難しくなっている。

 NSW Farmers穀物小委員会では、「一部の農家は夏作が100%ネズミにやられたところもある。作物を食い荒らし、貯蔵している穀類を食い荒らし、農業機械のワイヤまで食いちぎってしまう。これがシドニーのバルメインで起きている問題なら今頃はとっくに政府が対策してしまっているはずだ」としている。
■ソース
Worsening NSW mouse plague now an ‘economic and public health crisis’

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