G7後のモリソン・ジョンソン会談で発表
6月15日付ABC放送(電子版)は、BrexitでEUを脱退したイギリスと中国の経済的締め付けで輸出先の大幅な多角化を迫られているオーストラリアが自由貿易協定交渉に入ったことを報道している。
6月14日にG7が閉幕し、翌日にはスコット・モリソン豪首相がロンドンのダウニング・ストリート10番地にボリス・ジョンソン英首相を訪問し、会談後にこの協定を共同発表した。
オーストラリアとの自由貿易協定は、Brexit後のイギリス経済初の主要協定となり、両国の相互間でのワーキング・ホリデー・ビザは上限を35歳に引き上げられる。
合同記者会見に先立って、ジョンソン英首相は、「歴史を共有し、共通の価値観を持つイギリスとオーストラリアの関係が新しい夜明けを迎えた」と語った。
また、モリソン豪首相は、「この取決めはオーストラリアにとってはかつてない包括的かつ野心的な協定だ。この協定により、我が国の経済はさらに強化されることになるだろう。人の自由な往来、財とサービスの自由な往来は先進経済と自由民主主義の強化を支えることになる」と語っている。
この協定でも、今後15年間はオーストラリアの農家もイギリス市場への自由な参入はできないが、牛肉、羊肉、砂糖などについてはその期間に関税が徐々に引き下げられ、最終的に無関税になる。
ジョンソン英首相は、「この協定後もイギリスの農家は保護される。オーストラリアに対して市場を開くが、あくまでも15年をかけて徐々に進めていくことになる。国内農業へのセーフガードは維持し、突然大量の財貨がイギリス国内に流れ込むことがないようにする」と語っている。
両国間の自由貿易協定はまだ公式に署名されたわけではなく、今後、法的文言など細部を煮詰めていかなければならないが、両国の間で協定の原則への合意があった。
■ソース
Australia and United Kingdom strike agreement for post-Brexit free trade deal