モナシュ医薬科学研究所に500万ドルの助成金
6月20日付ABC放送(電子版)は、VIC州政府が国内初のmRNAワクチン候補開発に500万ドルの研究助成金を交付すると発表した。
mRNAタイプのコロナウイルス・ワクチン開発はVIC州と連邦政府が、「国内開発を進める」と宣言しており、VIC州はそのために5,000万ドルの助成金資金を発表していた。
今回、助成金を受けるのはメルボルン市のMonash Institute of Pharmaceutical Sciencesで、6月20日、ジェームズ・マーリノVIC州首相代理は、「同Instituteが治験に十分な量のmRNAワクチン候補を製造するための資金として同資金から500万ドルを交付する」発表した。
マーリノ州首相代理は、「今回のこのmRNAワクチン開発が候補の治験に近づいたことは我が国にとっても非常に重要であり、非常に期待の持てる前進だ。オーストラリア国内でmRNAワクチン生産能力を開発する道を開くものだ。とりわけ、コロナウイルスは未だ当分消え去ることはなく、毎年ブースター接種しなければならない事態も考えられることから国内生産能力を持つというのは重要なことだ」と語っている。
ワクチンの中でもモデルナ社とファイザー社の開発したコロナウイルス・ワクチンはmRNAワクチンと呼ばれるタイプで、RNAと呼ばれる遺伝子コードを用いてコロナウイルスの特定のスパイク・タンパク質を産生させる。mRNAが人体の細胞に入ると細胞はそのRNAに含まれているコードに従ってスパイク・タンパク質を産生し、そうすると免疫細胞がこのスパイク・タンパク質を異物と認識し、それに対する免疫反応を築き始める、という仕組みになっている。
研究を指導しているモナシュ大学のコリン・プトン教授は、「mRNAワクチン技術はタンパク質型ワクチンよりも操作が簡単で容易に応用できる特徴がある」と語っている。
■ソース
Australia’s first locally made COVID-19 mRNA vaccine candidate is set for clinical trials