ブリスベン市では打ち上げ花火で景気づけも
7月21日、東京で開かれていたIOC会合は72票対5票、棄権3票でブリスベン市の2032年オリンピック・パラリンピック開催を決定した。
同日付ABC放送(電子版)が伝えた。
IOCのトーマス・バッハ会長は、「ブリスベン市候補の持続可能性が開催決定の一因になった」と語っており、ブリスベンのスタジアム「ウールンガッバ」通称「ガッバ」を改修し、地下駅を設けることでオリンピックのハブとして運営することが計画されている。
この日のため、アナスタシア・パラシェイQLD州首相、エイドリアン・シュリナー・ブリスベン市長、リチャード・コルベック連邦体育大臣らが東京に出かけており、コロナウイルス規制下での決定発表に立ち上がって拍手するだけで我慢しなければならなかった。
また、発表後、ブリスベン都心部の河岸では用意されていた打ち上げ花火に点火され、ブリスベン市全域に候補成功を伝えた。
パラシェイ州首相は、「クィーンズランド州民のクィーンズランド州を誇りに思う。生涯にこのような日が来ようとは予想もしていなかった。素晴らしいことだ」と語っている。
バッハ会長は、「ブリスベン候補の計画は、持続可能性を考えたプロジェクトになっており、また素晴らしい伝統とスポーツ愛好国にふさわしいプロジェクトになっている。スポーツを愛好するオーストラリア人が開催するオリンピックになる。その一言に尽きる。その時には私もブリスベン大会に出席したいものだ」と語った。
ブリスベンが選ばれた理由として、政府部門・民間部門すべてを挙げて候補を支持してきたこと、また、同市が過去にいくつも大規模イベント開催の経験を経ていること、既存の施設利用率が高いこと、開催季節の気候が良いことなどが挙げられている。IOCでは、回を追って開催予算が膨張し、大がかりになってきた過去に対する反省として、持続可能性を導入、既存スタジアムの利用を高く評価している。
ブリスベン・オリンピック総予算は45億ドルと推定されており、そのうち25億ドルはIOCから、残りはチケット売り上げとスポンサーシップでまかなうこととしている。
オーストラリアは1956年にメルボルン、2000年にシドニーでオリンピックを開催しており、夏季オリンピックを国内3都市で開催するのはアメリカに次いで2か国目となる。
■ソース
Brisbane announced as 2032 Olympic Games host city at IOC meeting in Tokyo