反ユダヤ、陰謀論グループなどとオンラインで宣伝
7月25日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)は、7月24日昼にブロードウェイのビクトリア・パークからシドニー都心部タウンホール前までを無許可デモ行進し、各所で警官隊と衝突し、瓶を投げるなどした3000人ほどの群衆は、極右過激派や反ユダヤ主義グループ、コロナウイルス陰謀論派、反ワクチン派などが共謀し、オンラインで宣伝、準備を進めていたことを報じている。
シドニー、メルボルン、ブリスベンで起きた事件と同様のデモはフランス、イタリア、ギリシア、イギリスなどでも起きており、NSW州警察は、「グループ同士がインターネットのTelegramと名乗る暗号プラットフォームを使って計画を進め、フェースブックやインスタグラムでさらに情報を広めていたことを察知しており、事件には驚いていない」と発表している。
さらに、マル・レイニオン副長官は、「24日の事件の参加者についてはすでに5500件を超える市民からの情報が届いており、200人を超える参加者の身許も判明している。24日の事件では州警察は350人を超える警官を投入しており、さらに、公衆衛生命令違反その他の犯罪行為の容疑者を摘発するため特別捜査班の22人の刑事ができる限り大勢の参加者を摘発する。デモは予想していたが、参加者が予想以上に暴力行使をためらわなかったのは意外だった」と語っている。
警察は63人を現場で逮捕しており、すでに35人を警察官に対する暴力行為で起訴している。また、公衆衛生命令違反などで90件の違反罰金通告を発行した。その他にも33歳と36歳の男を警察馬に対する暴力行為で逮捕起訴している。
この事件ではオンライン活動家が何週間も前から計画を伝えており、よく知られた反ワクチン派の団体や人物が広い人口に向けてメッセージを伝えており、タウンホールの階段で反ロックダウン、反ワクチン演説をするなどの動きがあった。
また、各国の極右白人優越主義団体が関わっていることも示され、活動家の1人、ハリソン・マクリーンが、7月18日の段階で、「世界の100を超える都市で言論の自由、行動の自由、集会の自由、選択の自由、健康の自由のために決起する」と書いていた。
デビッド・エリオットNSW州警察大臣は、「この騒ぎで政治的に名を挙げようと考えた野心家が何人かいる。残念なことだ。そういう連中が政治という公務にふさわしい人物かどうか」と語っている。
■ソース
Revealed: the fringe groups where Sydney’s lockdown protest began