「シドニー・アウトブレーク、ピークは6週間先」

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モデリング研究で陽性者1日6,000人の可能性も

 シドニー大学のモデリング研究によると、現在の大シドニー地域のコロナウイルス・デルタ株アウトブレークがピークに達するのはまだ6週間先で、今後1日の陽性者発生数が6,000人に達する可能性も予想されている。

 8月26日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 このモデリング研究は現在の状況設定に基づいて編成したもので、このまま1日の陽性者発生数は上昇を続け、10月初旬には1,500人から6,000人程度の数字になるという結果になった。

 計算には8月25日までのデータを入力しており、州の成人の80%が完全接種したと仮定して、規制を全廃した場合には1日の陽性者数が4万人まで突出する可能性もある。また、今後検査、接触追跡、自宅待機、隔離、海外渡航制限などを続けても1か月で50万人が感染する可能性もある。

 シドニー大学では複雑なモデリングを使い、現在のアウトブレークをデルタ株の感染力、現在のロックダウン条件、ワクチン接種進捗状況などを因数として用いた場合の曲線を求めている。

 このモデリング研究は、グラディス・ベレジクリアンNSW州首相とケリー・チャント主席医務官が、「州人口の80%が完全接種を済ませた場合でも一部の規制内容は継続する」と決定した理由を裏付けている。

 また、ベレジクリアン州首相は継続維持する規制を明らかにしなかったが、チャント主席医務官は、「マスク着用は今後何年も続けられる可能性がある」としている。

 この研究を指導したミハイル・プロコペンコ教授は、「このデータはコロナウイルスに大して慎重な態度が求められることを示している。ワクチン接種の必要性を説いているが、ロックダウンを停止すれば陽性者が急激に増えることが予想される。NSW州では予防接種対象人口の80%が完全接種を済ませる時期の2021年11月にはロックダウンが解除されるとの想定で計算している。しかし、陽性者が急増することを防ぐためには現行の1.5mという社会距離を維持することが必要だ。実際にモデルリングでこの社会的距離を突然廃止した場合には最悪の事態になることも示唆されている」と語っている。

 さらに、「ロックダウン解除後の患者の急増はほとんどが未接種人口ということになるだろう。その中には接種していない子供も含まれるだろう。そういう患者の突出に対して病院は用意ができていない」としている。
■ソース
Study finds COVID peak still six weeks away and NSW could reach 6,000 cases a day

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