低接種率問題の地域では接種促進運動も
10月18日付ABC放送(電子版)は、QLD州のアナスタシア・パラシェイ州首相の発表を伝えた。
QLD州では市中感染ゼロが続いており、NSW州との州境閉鎖解除と郡部の低接種率解消が懸案になっている。
この日、パラシェイQLD州首相は、州社会の規制解除に向けた道程の骨子を発表した。
NSW、VIC両州と同様、QLD州でも州社会の開放はコロナウイルス・ワクチン接種率を押し上げることが必要条件となっており、16歳以上の州人口の80%が2回の完全接種を済ませるのは12月17日頃と推定されている。
また、海外からの帰国者や旅行者は完全接種済みで、かつ検査で陰性と判定された場合には2週間のホテル隔離に代えて2週間の自宅隔離を選ぶことができる。また、州の16歳以上の人口の80%が完全接種を済ませると見られる12月17日以降は海外からの渡航者は完全接種済みである限り、自宅隔離が許可される。
なお、上記条件に満たない海外からの渡航者は14日間のホテル隔離が必須である。
QLD州内では新陽性者ゼロが続いているが、他州で足止めされているQLD州民で入州許可を申請している者が8,000人にも及んでいる。これについても、パラシェイQLD州首相は、「11月19日より完全接種者を対象に段階的に州境閉鎖を緩和、解除していきたい」と発表している。
さらに、「モデリングで州民の80%接種率が達成できるのは12月17日と予想されているが、もしそれより早く達成できれば規制解除を前倒しにすることも考える。ただし、完全接種率80%を達成できなくとも12月17日規制緩和は決定事項であり、延期することはない」と語っている。
また、「12月17日より、他州のホットスポットと指定された地域からの入州者は、陸路・空路を問わず、完全接種済みであること、また入州前の72時間にコロナウイルス検査で陰性判定を受けていれば入州後の隔離を免除される。クリスマスに家族全員で過ごしたい州民にとっては朗報と思う」と語っている。
現在、QLD州では州民の72.26%が最低1回のワクチン接種を受けており、2回の完全接種率は56.58%と、NSW、VIC両州と比較するとまだまだ低い率に留まっている。
また、ジャネット・ヤング主席医務官は、「感染者がいれば、ウイルスは未接種者を見つけて広がる。12月17日の州境閉鎖解除に備え、十分な免疫を獲得するためには解除日より6週間前には2回の接種を済ませておいてもらいたい」としている。遅くとも11月5日までに完全接種済みになることが望ましい。
■ソース
Queensland Premier Annastacia Palaszczuk announces COVID-19 roadmap to reopening as state records zero local cases