各州の規制解除に伴う感染リスクの増大に対応
NSW、VIC両州が接種率向上に合わせてロックダウン、規制解除を進めており、さらに完全接種済み海外旅行者のホテル隔離も免除されるようになり、オーストラリア全体が「ゼロ感染」から「コロナウイルスとの共存」に大きく舵を切り替えている。そのため、不特定多数の客と接するカンタス航空などの航空会社、コモンウェルスやウェストパックなどの銀行が社員のワクチン接種を義務づけ始めている。また、公共部門でも州政府が介護職員や医療従事者、警察官などの接種を義務づけるところが増えている。さらには、接種拒否訴訟がいずれも経営者側の勝訴になっていることも接種義務の法的裏付けになってきている。
10月21日付ABC放送(電子版)は、不特定多数の客と接する三大スーパーマーケット・チェーンのウールワース、コールズ、アルディが社員のコロナウイルス・ワクチン接種を義務づけると発表したことを伝えている。
この三大チェーンのコロナウイルス・ワクチン接種義務化は全国で何十万人もの労働者に影響があり、医学的な理由がない限り、2度の完全接種が義務づけられる。
3社は、「接種義務化で社員と顧客双方の健康と安全を守ることができると発表しており、これまでもスーパーマーケットがしばしば「濃厚接触の感染が憂慮される施設」になってきており、接種率上昇で規制が解除されていくと再びコロナウイルス感染が広がる場になるのではないかと懸念されていた。
ウールワースとアルディは全国一律に接種義務化に入るが、コールズだけはNSW、VIC両州とACTだけに限定されている。
新たに政府の公衆衛生命令が出されない限り、ACT、NTの2準州、NSW、VIC、WAの3州では2022年1月31日までに、その他の州では3月31日までに2回の接種を済ませなければならない。
■ソース
Woolworths, Coles, Aldi to mandate COVID-19 vaccinations for staff