ワクチンの効果低下懸念前線労働者から優先的に
10月27日付ABC放送(電子版)は、豪医薬品管理局(TGA)が18歳以上のファイザー・ワクチン・ブースター接種を承認したと報道している。
TGAが承認している3種のコロナウイルス・ワクチンがいずれも2回の接種後半年で若干効力が衰えてくることが知られており、医療従事者など前線の労働者からは不安の声が挙がっていた。
TGAの承認を受け、連邦政府のグレッグ・ハント保健相は、豪州予防接種技術諮問グループ(ATAGI)の勧告を待ってブースター接種を開始したいと発表した。
ハント保健相はさらに、「ブースター接種対象、接種の時期などについてATAGIから勧告があるはずなので、それを待って、11月8日からブースター接種を始めたい」と語っている。
また、スコット・モリソン連邦首相は、「高齢者介護施設と障害者介護施設の入居者から、2回目の接種から半年後をめどにブースター接種を始めることになる」と語った。
一方、TGAも、「前2回の接種のワクチンと無関係にファイザー・ワクチンのブースターを受けることができるが、前2回のワクチンがアストラゼネカなどだった場合、ファイザー・ワクチンをブースターとして用いることについてはデータが不足している」と発表している。TGAがファイザー・ワクチンのブースター接種を承認しているが、現実にはブースター接種に用いるワクチンの用意ができていない。
ハント保健相は、「ワクチンの供給はあるし、流通メカニズムも整っている。ブースター接種開始が決まれば州政府、GP、薬局などと協力して手配していく。また、このブースター接種は、前2回の接種と異なり、ワクチン・パスポートには関係しない」と語っている。
また、「ATAGIの決定が出れば、オーストラリアは世界に先駆けて一般市民を対象にブースター・プログラムを実施医する世界初の国ということになる」と語っている。
■ソース
TGA approves Pfizer COVID-19 vaccine booster shots for people aged 18 and over