金曜日にはさらに規制緩和の予定を控え
10月28日午前、VIC州保健局は、同27日午後8時までに82,648人の検査が行われ、新たに1,923人が陽性と判定され、また、25人という最悪の死者数を出したことを発表した。
同日付ABC放送(電子版)が伝えた。
VIC州のこのデルタ株アウトブレークの死者は合計272人に達し、アクティブ患者も22,189人に達している。
また、同24時間中に州運営のコロナウイルス・ワクチン接種会場で21,272人、GP診療所でもそれを超える市民に接種が行われた。
2022年全豪オープン・テニスに向けて、VIC州政府は、「海外からの出場選手は完全接種または14日間の隔離」を義務づけるとしているが、全豪オープンに出場を希望するテニス選手には接種忌避者が多いと伝えられており、ダン・ティーハン連邦観光相は、「未接種のテニス選手も全豪オープンに参加させるように」と要求しており、再びVIC州と連邦の間で労働党対保守連合の政略争いが始まっている。
陽性者や死者の増加ではあるが、VIC州政府は、16歳以上の人口の80%が2回の完全接種を受けた段階で規制を緩和すると発表しており、10月29日がその日になると予想されている。
規制緩和の内容としては、10月29日午後6時より、屋外でのマスク着用義務が解除され、生活必需品以外の商品を扱う小売店やジムの営業が認められ、また、メルボルン都市圏と州内郡部との間の交通が認められるようになる。
ディーキン大学の疫学者、キャサリン・ベネット教授は、「先週までの1日2,000人にのぼる陽性者からICU入りする患者が発生し、さらに遅れて死者が増える。まだ当分高率の死者発生を予想しなければならない」と語っている。
VIC州では現在746人がコロナウイルス感染で入院しており、うち137人がICUに収容され、そのうち85人が酸素吸入装置を着けている。
ダニエル・アンドルーズVIC州首相は、「死者25人はとてつもない人数だ。コロナウイルス蔓延がまだ終わっていないことを示している。年齢も、社会的背景も、感染状況も関係なく感染死する可能性がある。それを防ぐためにはワクチン接種が今すぐできることだ」と語っている。
コロナウイルス感染死は、コロナウイルスの症状が通常2,3週間続いた後に来るため、2週間前に患者数が突出すると、10月13日の2,297人の感染者数が現在の死者数に反映してくる。
VIC州議会では、パンデミック宣言の権限を州首相に与え、ほぼ一方的に州首相が宣言し、規制を敷くことができるようになるが、州首相は、「法案編成にあたっては州弁護士協会とも相談した」と語っているが、州弁護士協会のクリストファー・ブランデンQCは、「保健省が用意した45分の話し合いではパンデミック宣言に対する一般的な内容に終始しており、具体的な法案の問題に触れなかった」と反論している。
■ソース
Victoria records 1,923 new local COVID-19 cases and 25 deaths