医療労働者・ワクチン支持の対抗デモ集会も
11月20日付ABC放送(電子版)は、オーストラリア各地で反ロックダウン、一部職種の接種義務化に反対する抗議行動が開催されたと伝えている。この抗議行動は国際的な行動の一環として、国内州都などで行われた。
オーストラリアではVIC州議会で審議が続いている「パンデミック法案」反対派の嫌がらせや暴力行為が報道され、海外でも暴動が伝えられているが、この日の行動では暴力事件は報道されていない。
国内ではワクチンとロックダウン、社会規制の結果、屋外で大々的な集会を開くことができるようになった現在、反ロックダウン、反接種義務化の参加者は、メルボルン、シドニー、アデレードでは都心部でデモ行進し、ブリスベン、ホバート、パースでも公園などの広場で集会を開いた。
また、いくつかの都市では、ワクチン接種支持を訴える対抗集会とデモも開かれ、メルボルンでは、州議事堂前に陣取っているパンデミック法案反対派に加え、何千人かが市内をデモ行進したが、この反対派を極右に煽動されているグループとみなす「反ファシスト」グループがラッセル・ストリートのトレーズ・ホール近くで集会を開いた。そのため、州警察が両グループの間を隔て、包囲する警戒網を敷いた。
パンデミック法案は、現在の緊急事態法制の不備を補う法制として編成されたが、法曹界からは細部の修正を求める声が挙がっており、一方、反対派は同法案の廃案を要求している。
一方、反ファシスト集会は、ワクチン接種支持を訴え、医療労働者との連帯を唱えている。主催者は、「政府の保健衛生対策は何百万人もの人々をコロナウイルスから守っており、州民の大多数はこれらの対策を支持してきた」と語っている。
シドニーでも反ロックダウン・反ワクチン派の抗議行動がハイド・パークで開かれ、都心部をデモ行進した。この群衆も他の都市の場合と同じようにオーストラリア国旗、ユーリカ旗、レッド・エンサインと呼ばれる船舶用の国旗を掲げ、オーストラリア国歌を歌って行進した。また、自由党から追われ、クライブ・パーマーの統一オーストラリア党に加盟した極右政治家、クレイグ・ケリー連邦議員が群衆を前に演説した。
ブリスベンの植物園での集会では鉱山富豪のクライブ・パーマー氏自身が、反接種の黒と黄色の旗を掲げる群衆に演説した。QLD州ではワクチン接種を勧める議員や医師に対する威嚇や脅迫メールが増えており、ブリスベンでは「反ワクチン政略」に反対するワクチン支持派が対抗集会を開いた。また、WA州パースでも反ロックダウン・反ワクチン派とワクチン接種支持派が対抗集会を開いた。
■ソース
Thousands of anti-lockdown, vaccine mandate protesters march at COVID rallies across Australia