モリソン連邦首相がロックダウンに決別宣言
11月30日付ABC放送(電子版)は、スコット・モリソン連邦首相が、「オミクロン株侵入による国境閉鎖緩和延期はあくまでも臨時措置、今後、厳しいパンデミック対応措置や波状ロックダウンを行うことは認めない」と語ったことを伝えている。
さらに、連邦政府のグレッグ・ハント保健相も、「連邦政府は12月15日付をもって国境閉鎖を緩和する考えを変えない」と言明している。
11月29日には連邦政府が、「コロナウイルス・オミクロン株のリスクを把握するまで、海外留学生や有効ビザ所持者に対する国境閉鎖解除を延期する」と発表しており、既にオーストラリアの大学への留学復帰準備を進めていた海外留学生を動揺させている。
モリソン首相は、「政府は慎重に対応しているが、以前のような厳しい規制に戻ることは許さない。昨夜の国境開放延期は厳しい規制に戻らないための措置だ。オミクロン株がこれまでの株よりも温和なものであれば、政府としては国境再開予定を12月15日から前に戻すつもりだ」と語っている。
また、30日には全国閣僚会議を開いており、主として、オミクロン株のオーストラリア侵入に対して全政府の歩調を合わせることを話し合っている。
また、11月30日の記者会見で、ポール・ケリー連邦主席医務官は、豪州予防接種技術諮問グループ(ATAGI)と会合を開き、完全接種の2回目から3回目にあたるブースター接種までの期間を短縮すべきかどうかを協議した。
記者から、「イギリスは2回目とブースター接種の間隔をこれまでの6か月から3か月に短縮したが、オーストラリアもそうするつもりか?」との質問が出たのに対して、ケリー主席医務官は、「イギリスは現在冬であり、コロナウイルス感染が起きやすいことを考えればイギリスが2回目とブースター接種の間隔を狭めることも立派な理由がある。オーストラリアは冬までまだ半年もある。今朝もATAGIとはそのことで話し合った」と語って、ブースターが効力を最大限に増す時期を冬季の始まりに持ってくる考えを明らかにしている。
■ソース
Scott Morrison rules out return to lockdowns in wake of Omicron variant, says border changes will be temporary