ラ・ニーニャのさなかでも今週は夏の高温日続く
12月14日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)は、気象庁(BoM)の予報として、今週のNSW州全域で真夏の気象条件になると伝えている。
また、オーストラリア全域で今夏最高気温の週になると予報している。
BoMのアガタ・イミエルスカ予報官は、「ラ・ニーニャ現象が宣言されたままで、例年ならもっと暖かなこの何か月かに例年平均を上回る雨が降り続いたが、高温日が起きることまで否定しているわけではない」と語っている。
さらに、「現在、まだ夏だということ、また、この時候には熱波も夏の危険の一つだということを思い出させてくれる。また、今週の気温は昨夏以来初めてのまっとうな暑さだということを思い出させてくれる」と語っている。
また、「今週土曜日(18日)がもっとも暑い日になると予想され、シドニー市域は摂氏29度程度。ペンリスでは35度、リバプールでは33度程度になる見込み。また、内陸部ではバークが摂氏43度と予想されるなどしている。
温暖気象はブッシュファイアのリスクも上昇させ、NSW州南部のリベリナ地域や州内陸北部にはすでに火災危険警報が出されている。2021年1月1日から12月1日までの期間に州内では、ブッシュファイアの際の燃料になる下生えや枯れ草を焼く山焼きが587件行われており、171,870ヘクタールの可燃物を処理している。
しかし、郡部消防局広報担当官のベン・シェパード氏は、「大分水嶺の西側では熱暑が繰り返しやってきているため、草の成長が速く、局でもその地域を警戒している。幸いなことに州全体で見ればまだブッシュファイアの発生も少ないが、この先何週間かは熱暑が予想されているため、再びブッシュファイアの季節になる可能性もある」と語っている。
そのため、シェパード氏は、「これからのホリデー・シーズン、行楽客は、草原は森林に比べて容易に燃え上がり、3倍くらいの速さで燃え広がることをよく憶えておいてもらいたい。これから気温も上がり、火災の危険も高まることが予想される」と語っている。
BoMによると、この温暖な気象条件も来週初めには和らぐが、クリスマス・デー頃の気象条件についてはまだ確実なことはいえないとしている。
■ソース
Temperatures to soar across NSW, bringing elevated bushfire risk