コロナウイルス規制解除後の州社会オミクロン株蔓延
12月16日付ABC放送(電子版)によると､シドニーのNSW大学学者のモデリング研究で､現在のコロナウイルス規制緩和で1月頃には1日あたりの新感染者発生数は1日25,000人に上るだろうと予測し､これは世界的な傾向と一致するとしており｡なお､報告執筆者は､｢このモデリング結果は暫定的なもので､ブースター接種などの要因は考慮していない｣と述べている｡
12月15日､ブラッド･ハザードNSW州保健相が､NSW大学公衆衛生学科の研究報告を引用し､州民にはコロナウイルス対策励行を続けることを呼びかけている｡
報告書の執筆者は､｢対策の大きな変更で感染拡大を抑えられる可能性はある｣としているが､研究室のジェームズ･ウッド准教授は､｢1週間ごとに感染者数が4倍になっていくことはオーストラリアでも海外でも起きている｣として､報告書の内容を支持している｡
16日の記者会見では､ハザード保健相が､｢私の計算では1週間で患者が175,000人になるということだ｡現在の1日1,360人とは桁はずれだ｣と語っている｡
さらに､｢このモデリングは手直しも必要だろう｡このような数式には入力を決めるのはむつかしいものだ｡このアルゴリズムに入れるべき作業データはイギリスや南アフリカで集められたもので､必ずしもオーストラリアの状況にあてはまるとは言えない｣としつつも､州民にはクリスマスから新年にかけてのホリデー･シーズンに衛生には十分注意するよう呼びかけている｡
NSW州のコロナウイルス新陽性者数は12月14日の804人から同15日の1,360人へと急増しているが､ドミニク･ペロテイNSW州首相は､ほとんどすべての社会規制を解除すると発表しており､チャント主席医務官の医学的な立場やハザード保健相の慎重な態度とは少し違いがある｡
ウッド博士は､彼のモデリングは先週の州内のオミクロン感染者数の推移､内外のウイルス感染力のデータ､現在のブースター接種普及率などを因数として取り込んだものだと述べている｡
博士はさらに､｢このモデリングは暫定的なものであり､もし､社会規制の再導入やブースター接種率の急上昇､感染リスクに対して人々がもっと慎重な態度を取るようになるなどの変化があれば感染者数増加はかなり抑えることができることと思うが､この報告書ではそこまでは因数として考慮していない｣と述べている｡
ハザード大臣は､｢コロナウイルス･パンデミック初期に何万人という死者も出るという警告があったが､国民全体が危機を感じ､マスクや1.5mの社会的距離その他の予防措置を取るようになったことで最悪の事態は免れた｡1日に25,000人の感染者という事態も免れることができるかも知れない｣と語っている｡
■ソース
Modelling predicting 25,000 COVID cases a day by January in NSW ‘very preliminary’, report author says
