抗原検査キット品切続出、入院患者も増加始まる
12月20日付ABC放送(電子版)は、NSW州で12月19日午後8時までの24時間に144,368人の検査が行われ、新たに2,501人がコロナウイルス陽性と判定されたことを伝えている。また、コロナウイルス感染者の入院が増えている。ただし、この24時間にコロナウイルス感染症死者は出ていない。
12月初めから薬局などで販売を始めた迅速抗原検査キットは2個のパッケージで$30程度ながら、既にシドニー地域の薬局ではどこも品切れになっていると報道されている。抗原検査キットは自分でできる簡単な検査法だが精度が低く、抗原検査で陰性と判定された後、一般的なPCR検査で陽性と判定されることがある。
NSW州では、261人がコロナウイルス感染症で入院しており、過去2日間で55人増えている。そのうち33人がICUに収容されており、そのうち26人が未接種者とされている。
ドミニク・ペロテイNSW州首相は、「証拠は歴然としている。数字はウソをつかない。ワクチン接種を受ければ自分も家族も守ることができる。接種率が上がったからこそ規制を解除することができた」と語っている。
また、ペロテイ州首相は、「当政府のパンデミック対策は人々の安全と経済振興のバランスを取っている。パンデミックはすぐには去りはしない。共存することを学ばなければならない。これまで公衆衛生命令だった公共の屋内でのマスク着用義務が先週解除されたが、今でも大勢が集まるところ、1.5mの社会距離が確保できないところ、換気の悪いところではマスク着用が強く勧められる」と語っている。
さらにペロテイ州首相は、新感染者総数ではなく、ICU収容者数を指標にすべきだと語っており、接種率を上げて感染者が出ても軽い症状で済むことを狙い、少数の重症化した患者を病院で治療するという、「コロナウイルスとの共存」を再度強調している。
12月19日、豪医師会(AMA)は、NSW州政府に対して、「12月15日に廃止したQRコード・チェックイン・アウトとマスク着用義務を復活するよう要請したが、ブラッド・ハザード保健相は、「AMAには敬意を持つが、政府は最終的にはNSW州保健局の勧告に従う」と発言している。
■ソース
NSW records 2,501 new COVID-19 cases as number of people in hospital rises