陽性者増加続け、入院患者、ICU患者も微増
NSW州は12月初旬にコロナウイルス規制を大幅に緩和・解除した後、陽性者が激増しており、入院患者、ICU収容患者は微増にとどまっているが、検査を求める人々で検査場に殺到し、遂には州保健相が「どうしても必要でない限り検査を受けないよう」呼びかける結果になっている。また、医療従事者が感染して病欠したり、濃厚接触で自己隔離に入るなどして医療現場も深刻な人手不足になっている。
12月26日午後8時までの24時間に97,241人が検査を受け、6,324人が陽性と判定された。また、コロナウイルス感染入院患者は520人、うち55人がICUで治療を受けている。
12月27日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)は、患者1人がオミクロン株感染で死亡したと伝えている。
亡くなったのは80代の男性で、シドニー都市圏西部ノース・パラマッタ地区のUniting Lilian Wells高齢者介護施設入居者だったが、同施設で感染したもので、2回の完全接種済みだったが基礎疾患を抱えており、ウェストミード病院で亡くなった。
NSW州保健局のドクター・クリスティーン・セルビーは、「NSW州ではオミクロン株感染で亡くなったのは初めてのできごと。ブースター接種資格ができた人はなるべく早く接種を受けに来てもらいたい」と語っている。
先週発表された連邦政府のデータによると、ノース・パラマッタのその高齢者介護施設では最近に入居者33人、職員11人がコロナウイルスに感染している。
この男性の他にも、90代の女性がワイヨン病院で死亡、80代の男性もロイヤル・プリンス・アルフレッド病院で亡くなっている。2人はいずれも完全接種済みだった。
ドクター・セルビーは、検査クリニックの重圧を緩和するため、コロナウイルス感染症状がある人、家庭接触の人、コロナウイルスにさらされたリスクが中度または高度の人、NSW保健局または教育省から検査を受けるように指示された場合のみ検査を受けるようにしてもらいたい」と呼びかけている。
12月27日、州警察は、州内のいくつかの検査場が処理能力を超えた検査需要のため閉鎖を余儀なくされた。この需要は今後も数日続くと予想されていると発表している。
■ソース
NSW records first Omicron death, 520 patients in hospital as testing queues grow