全国閣僚会議で便宜的な定義変更
ケリー・チャント主席医務官は、「感染者急増でブースター接種を受けたいという気分が高まっている。今後、感染者発生数が徐々に減少すると期待している。周囲にコロナウイルスが蔓延しており、これを抑制するためには誰もが自分のこととして安全策を取ることが望まれる。特に、コロナウイルス感染で運び込まれる女性の中には妊娠中で接種を受けていない人がかなりいる。妊娠はコロナウイルス感染で重症化しやすいリスク・ファクターとされている。感染すれば胎児にも影響が出る。妊娠女性は大急ぎで接種を受けるように」と呼びかけている。
また、連邦のポール・ケリー主席医務官は、「昨日の全国閣僚会議で隔離条件がかなり緩和された。今後、感染者が増えるおそれがある」と発言した。
全国閣僚会議では、「濃厚接触」を、同居世帯などで感染確定者と4時間以上過ごした場合、と定義が変更された。それに伴い、NSW、VIC、QLD、SAの4州とACTでは、コロナウイルス感染者の濃厚接触者は7日間の隔離を必要とされるだけになり、さらに、6日目に迅速抗原検査(RAT)を受けることという条件も翌日には破棄された。
これまで、NSW州では、陽性者は10日間の隔離が義務づけられていたが、今後は州保健局からの公式隔離終了通知もなく、陰性を確認する検査もなく、7日目に隔離を解除されることになった。
ただし、陽性者は隔離を解除されても、その後3日間は、マスク着用などの安全策を取り、病院、高齢者介護施設など高リスク環境に近づくことを避けるなどしなければならない。また、陽性者の濃厚接触者は、接触があったと考えられれば、直ちにPCR検査を受け、隔離が終わった後も7日間は高リスク環境に近づくことを避けなければならない。
完全接種済みの海外からの渡航者および航空乗務員でNSW州に到着した者はPCR検査を受けなくてもよくなるが、到着1日目と6日目にRAT検査を受けなければならなくなる。ただし、到着時にコロナウイルス症状のある者はただちにPCR検査を受け、陰性判定が出るまで隔離しなければならない。また、未接種の渡航者や航空乗務員の場合は到着後直ちに隔離に入り、PCR検査を受けること。また、搭乗3日前以内のPCR検査陰性証明を提示しなければならない。
ペロテイNSW州首相は、州内でRATキットが品不足になっていることを認め、既に5,000万キットを注文しており、2022年1月中旬に入荷する予定であること、入荷後、海外からの渡航者や健康弱者、社会的不利益をを受けている人々に無料で配布すると発表している。
NSW州救急隊は、過去4週間で救急隊出動要請の連絡が50%増えており、しかも実際に救急隊出動を必要とするのは連絡の3分の2ほどで、3分の1はコロナウイルス検査を受けたいとか、検査結果を知りたいというだけのためにトリプル・ゼロ(000)に電話している。そのため、州救急隊は、「トリプル・ゼロ通報は現実に緊急事態のみに限るよう求めている。
■ソース
NSW daily COVID-19 case tally nearly doubles again with 21,151 infections, six deaths