シドニーの大晦日イベント、州政府が有料化に

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ムーア・シドニー市長は「とんでもないやり方」

 シドニーの大晦日イベントが有料化され、チケット購入がなければ参加できなくなっており、またチケット料金が法外として、クロバー・ムーア・シドニー市長は「とんでもないやり方」と批判している。

 一方、グラディス・ベレジクリアン保守連合州政権は、「タダの物など何もない」と反論している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 シドニー恒例の大晦日の花火大会は、ベレジクリアン州政府がハーバーに面した一等地を囲い込み、入場料を取る方式を広げている。花火大会の経費はシドニーの住民税でまかなわれており、税金でまかなわれたものは貧富を問わずすべての人に無料で平等にという考え方と何事も利潤という考え方の対立が顕わになっている。

 ムーア市長は、「これまで無料だったヒクソン・ロード・リザーブが今年は囲いができて有料化された。花火大会は無料のコミュニティ・イベントのはず。地元民にも、他州や海外からの旅行者にも無料で開かれているイベントのはず。ところが一部の土地を州有地を管理するProperty for NSWやロイヤル・ボタニック・ガーデンズ・トラストが大晦日だけ有料化している。とんでもないことだ」と州政府の方針を批判している。

 花火大会見物一等地のヒクソン・ロード・リザーブの入場料は$55で、シドニー・ハーバーに面した私有地が設定する入場券ともどもすっかり売り尽くしている。

 一方、周辺の無料の土地には今年初めて黒いテント地が張り巡らされ、オペラハウスやハーバー水景を見えなくしている。朝から場所取りに来ていた市民は、「酔っ払いが海に落ちないようにというのは分かるが、風景を見えなくするというのはまったく無意味ではないか」と語っている。

 州政府のトロイ・グラント警察相は、「有料化の最大の目的は群集管理だ。個人的には何でも無料であって欲しいと考えるが、社会の世話をすることはどんなことでも結局コストが問題になってくる。この世にタダのものなど何もない」と反論している。
■ソース
Sydney New Year’s Eve ticketed events slammed by Lord Mayor Clover Moore as ‘outrageous’

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