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ダットン「テロリスト・プラカシュの豪国籍剥奪」に障碍

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フィジー政府、プラカシュの二重国籍を否定

 2018年12月29日、連邦政府のピーター・ダットン内務相は、オーストラリア出身のイスラム国(IS)メンバーで現在はトルコの刑務所に拘置されているニール・プラカシュ容疑者のオーストラリア国籍剥奪を決定したと発表していた。

 ダットン決定はプラカシュがオーストラリアとフィジーの二重国籍者であることを前提にしていたが、フィジー政府が、「プラカシュはフィジー国籍を持っていない」と反論しており、また、プラカシュを受け入れる気がないことを明らかにしており、オーストラリア政府とフィジー政府の関係険悪化に向かっている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 国際法により、一国の政府が個人を無国籍者にすることは禁じられている。そのため、国籍剥奪はその者が二重国籍を持っていることが条件になる。

 プラカシュはオーストラリアのメルボルンでカンボジア人の母親とフィジー人の父親の間に生まれた。そのため、自動的にオーストラリア国籍を取得しているが、ダットン大臣は、「連邦政府の国籍喪失管理局が慎重に検討した結果、プラカシュはフィジー国籍者と判断した」と主張している。また、ジョシュ・フライデンバーグ財相は、「同局は、他の国の国籍取得資格があるため、その国の国籍者と判断した」と語っている。また、政府決定発表に先立ってフィジー政府にも通告したとしている。しかし、オーストラリア政府の誰も、政府決定前にフィジー政府と協議したと言っていない。

 オーストラリア政府の発表後、フィジー政府のネマニ・ブニワカ移民省事務次官が、「フィジー人の子供が海外で生まれた場合、親が子供のフィジー国籍取得を申請しない限りフィジー国籍を得ることはない。プラカシュがフィジー国籍取得を申請したことはないし、国籍を持っていない」と発言しており、オーストラリア政府と真っ向から対立している。

 さらに、1月3日にはフィジー政府のフランク・バイニマラマ首相が、「プラカシュはフィジーに来る資格がないため、フィジーに来ることはできない。彼はテロリストであり、ISISのメンバーだ。我が国はISISを歓迎することはありえない」と地元紙に語った。

 連邦労働党のジェーソン・クレア議員が、「連邦政府は、プラカシュがフィジー国籍者という答申の文書を明らかにしなければならないのに、ダットンが答申公開を拒んでいる。これもまたピーター・ダットンお得意のへまのように思える」と追及している。
■ソース
Australian-born terrorist Neil Prakash cannot go to Fiji, says Prime Minister Frank Bainimarama

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