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豪大学の連合、労働党の教員レベル向上案に反論

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「教員ATAR大学入学水準引き上げ」効力疑問視

 1月6日、教員資格コースを持つ国内39大学で組織する全豪教育学部長会議会長のタニア・アスプランド教授が、同日に労働党のタニア・プリバセク連邦副党首が教員の能力水準向上案を発表したのに対して、「この問題で大学との対立を避けてもらいたい。各大学の副学長がこのようなやり方を望むとは思えない」と語った。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 労働党案は、教員の大学入学に必要なATARの水準を引き上げるというもので、アスプランド教授は、「その場しのぎの対策で効果があるという証拠はない。私たちはいつも政治家のところに出向き、話し合い、合意を得ようとしている。私たちも教員の水準を引き上げたいという考えは同じだ」と語っている。

 プリバセク副党首は、「大学の教員養成コースにはATARでトップ30%以内の成績の者だけを入れること。さもなければ、大学が教員養成コースに入れる学生数を制限する」と語った。この上位30%はATAR80前後の成績に該当する。

 プリバセク副党首は、「教員資格を取得するために必要な成績が毎年のように下がってきている」とした。また、「優秀な成績の高校生の場合、保護者や教員自身が、どんなコースを選んでもいいが、教員を目指してせっかくの成績を無にすることはない、と諭している。なんと残念なことか。次世代を育むことに熱意を感じている優れた人達にこそ教師を目指してもらいたい。どういう進路を選びたいか分からないから教師にでもなるか、という態度では困る。大学にお願いしたい。教員コースの最低限成績を引き上げてもらいたい。我が国は、優れた教師になることが望めないような人々を入れて教員資格を引き下げるわけにはいかない」と語った。

 大学連合会の反応に対してプリバセク氏は、子供達を教育する教師は大学生の中でももっとも優秀な人々であって欲しいと願っている。そのための改革を本気で考えている」と反論している。

 これに対してアスプランド教授は、「弁舌さわやかに物事を単純化しても教師の水準を引き上げることはできない。ATAR80で足切りするというのは即効性があるように聞こえるが、現実にはATARだけで合格している学生は4人に1人もいない。ATARが高いからいい教師になるという証拠は全くない。優れた教師を養成するには知的能力、意思疎通の能力など学問外の能力も見なければならない。いくら頭が良くても、生徒達と意思疎通する能力や持久力、意欲が欠けていればいい教師にはなれない。私たちも労働党だけでなく、どちらの政党とも協力して改善していきたいと考えている。しかし、対立していては目標に向かって進むことはできない」と語っている。

 プリバセク副党首も、「もっと幅広い見地で考えなければならないのは確かだ。また、教師の社会的評価や給与体系を引き上げることも必要だと思う」と語った。
■ソース
‘They should try me’: Universities reject Labor call on raising ATAR

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