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「賃貸住宅の屋内薬物汚染検査の義務づけを」

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残留薬物で住人健康害し、持ち物も汚染される

 賃貸住宅に移り住んだ女性が、以前の住人の製造していた違法薬物のために健康を害し、さらには持ち物も壁や家具に染みついた薬物に汚染されたため、放棄しなければならなくなった。この事件をきっかけに、賃貸住宅の新契約時には住宅内部の違法薬物汚染検査を義務づけるべきという要求が再び高まっている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ショールヘイブン地域ナウラの町で賃貸住宅に住むベロニカ・ロウリンソンさんは、体の不調を感じ始め、数か月の間体に様々な異常を感じたことから借りていた住宅屋内の壁などの汚染検査を依頼したところ、メタンフェタミン、通称アイスが検出された。

 ロウリンソンさんは、「脱力を感じ、肩や腕に吹き出物ができ始めた。医者に行って生検も受けたがはっきりした答が出なかった。そこでメタンフェタミンの検査をしてくれる会社に依頼し、屋内の検査をしてもらったところ陽性の結果が返ってきた。そのため、ネコ2匹とハンドバッグだけを持ってその家を出なければならなくなった。持ち物もメタンフェタミンに汚染されてしまっていたからすべてプラスチック・シートに三重にくるんで塵芥処理場に埋めなければならなくなった。現在、NSW州のCivil and Administrative Tribunal(民間行政審判所)で賠償請求をしている。これまで3回も審判所で掛け合ったが、法律が現実に追いついていないため、最終的な解決にも至っていない」と語っている。

 メタンフェタミン検査を引き受けている会社は、「南部海岸地域の賃貸住宅を検査してきたが薬物汚染が陰性だった物件は一つもなかった」と語っている。

 また、フリンダース大学のジャッキー・ライト博士は、「メタンフェタミン製造でも使用でもドラッグ残留物が屋内の堅い表面全体にこびりつくが、ジュウタンやカーテンなど柔らかい物体の場合には内部まで染みこんでしまい、何年間もドラッグを少しずつ放出し続ける。そうなると住人の健康を害し、子供の場合は行動まで影響するようになる。頭痛、慢性の咳、カゼや感染に弱くなり、眼のかゆみ、肌の吹き出物、睡眠障害、悪夢などの症状が現れる。また、集中力がなくなったり、暴力的になったりもする」と語っている。

 不動産業界はガイダンスを求めているが、責任の発生する検査義務づけには消極的な態度を示している。
■ソース
Fresh calls for meth tests after poisoned renter forced to abandon her possessions

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