ウールワースの1リットル1ドル牛乳競争中止に
かつてウールワースとコールズが自社ブランドの牛乳の1リットル1ドル値下げ競争を始め、さらにALDIもそれに加わったが、牛乳の値下げ競争は大手小売業者の買い叩きで牛乳生産者を苦しめるだけという見方が広まっていた。
2月19日、ウールワースが自社ブランドの牛乳の価格を1リットル1ドルから1ドル10セントに引き上げた。
これを受けてデビッド・リトルプラウド連邦農相が値上げに応じないコールズ、ALDIのボイコットを国民に呼びかけている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
ウールワースは値上げ分をウールワースに牛乳を供給している450戸の生産者に支払うと発表している。
リトルプラウド大臣は、「オーストラリア国民に考えていただきたいのは公正にふるまうと言うことだ。この国で何が公正なのだろうか。昨年8月、困窮している牛乳生産者を助けてくれるようスーパーマーケットに頼んだ。その頼みに応えてくれたのはウールワースだけだ。コールズは傲慢な態度だったし、ドイツ系の大手企業、ALDIは事実上中指を立てる態度だった。国民にはコールズやALDIとの取引を他に移して欲しい。その2社が乳酪産業の構造改革を支持するまでボイコットして欲しい」と語っている。
ウールワースの発表を受けて、全豪酪農連合会のデビッド・イノールCEOは、「これで転機が訪れた。ウールワースが値上げ分の10セントをそっくりそのまま生産者に渡すと発表したことは心強い。もちろん、生産者としては1リットル2ドルになることを望んでいる。しかし、今日のこの発表でオーストラリア社会が牛乳生産農家を見捨てず支えてくれる方向に動き始めた」と評価している。
ALDIは、「当社は常に責任ある態度で生産者とも倫理的かつ協力的な関係を保っている。小売業者が通常のサプライ・チェーンから外れたビジネスをするというのには反対だ」と発表している。
また、コールズは、「当社は過去6か月の間に1,600万ドルの農家支援の活動をしてきた。また、消費者にも生活費の上昇に困っている人々がいる。そういう人々を見捨てることはできない」と語っており、来週月曜日から店頭で農家への寄付を募り、消費者の寄付金総額と同額をコールズが補助する活動を始める。
野党労働党のジョエル・フィツギボン影の農相は、「他の小売業者もウールワースにならうべきだが、政府はこれを無策のいいわけにしてはならない」と語っている。
■ソース
Shoppers should boycott Coles and Aldi over dollar milk, Agriculture Minister David Littleproud says