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豪国境警備部、燃料費節約のためにパトロール減らす

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ピーター・ダットン内務相の発言と対立する説明

 豪国境警備部(ABF)は、巡視船の燃料費を節約するため、巡視回数を減らしていると発表した。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 先にピーター・ダットン内務相が、「ABFは海上巡視を減らすようなことはしていない」と発言しており、大臣と現場の発言が真っ向から対立する格好になっている。

 スコット・モリソン保守連合政権は、PNGマヌス島やナウルの難民の医療移送政策を巡って野党労働党と5月選挙をかけた政争を続けているだけに、ダットン大臣が自分の管掌分野のABFの現実を把握していないということになると保守連合の国境警備戦略そのものが揺らぐことになる。

 2018年12月、シドニー・モーニング・ヘラルド紙とエージ紙は、「ABFは支出膨脹を抑えるため、業務制限を行っており、その一つとして燃料費を節約するために艦船巡視を減らしている」と報道した。

 これに対して、ダットン大臣は、「報道は不正確。海上巡視を減らすことはしていない。政府はそのことに関して明確にしている。ABFに対して巡視回数を減らしてはならないと指示している」と語った。

 また、マイケル・アウトラムABF長官も上院予算委員会の証言席で「メディアの報道は不正確」と報道を否定している。

 しかし、アウトラム長官が上院法制憲法問題調査委員会宛に書簡を送り、「先の予算委員会での回答を訂正しなければならないことに気づいた。艦船を巡視任務からはずすことはしていないが、昨年12月3日から11日まで、『リスク本位体制』を採用し、情報、レーダー、視認などに基づいて出動していた」と述べている。

 2紙の報道は12月11日に掲載されており、ダットン大臣は新聞報道を見てやむを得ずABFに巡視任務を減らしてはならないと指示したことがうかがえる。

 野党労働党のシェイン・ニューマン国境警備スポークスマンは、「モリソンとダットンがメディアに尻尾をつかまれていなければどこまで手を抜いていたことか。労働党政権ではABFは全面的に必要な予算を組み、国境警備を万全にするだけでなく、人間密輸業者をその途上で阻止するための新しい措置も導入する」と語っている。
■ソース
Australian Border Force confirms ocean patrols were cut to save money on fuel

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