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ABC放送新会長にアイタ・バットローズ決定

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モリソン首相の専断任命に異議の声も

 2月28日、ABC放送新会長選定は従来の選考委員会の作業が進められていたが、スコット・モリソン連邦首相の専断で選考委員会の候補者リストに名前のなかったアイタ・バットローズ氏が任命された。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 バットローズ氏は知名度も高く、メディアでの経歴も長い上に慈善的な社会運動には関わっても政治活動にはほとんど関わってこなかったため、それほど反対の声はないが、政府からの独立をうたっているABC放送にまたまた政権からの干渉が起きたことに異議の声がすでに出されている。

 バットローズ氏は印刷メディア出身であり、「クレオ」編集長を務め、さらに女性としては初めて一般紙の編集長も務めており、その手腕を疑う人は少なく、また、熱心なABCリスナーを自称している。今後少なくとも5年間、82歳まで5000人の職員やジャーナリストを率いていくことになる。

 ただし、ABC擁護のロビー・グループ、ABCフレンズのマーガレット・レイノルズ会長は、「バットローズ氏は印刷メディアでは幅広い経歴を持ち、尊敬されているが、ABC放送の未来を担う者としては、電波、デジタル分野の経歴が不足しているのではないか」と懸念している。

 一方、ABC放送の「メディア・ウォッチ」のポール・バリー氏は楽観的で、「彼女はタフで賢明でメディアをよく理解しており、また、ABC放送の独立性を強く支持している。ABC放送の独立性を擁護していくことと信じている」と語っている。

 しかし、ABCテレビのジャーナリストを務めてきており、メディア娯楽芸術組合のCEOを務めるポール・マーフィ氏は、「政府が繰り返しABC人事に干渉しており、この任務に最適な人物を選ぶ独立作業をすっかりばかにしている」と語っている。また、かつてABC放送会長を務めたことのあるモーリス・ニューマン氏も、「バットローズ氏については何も言わないが、今回の人選作業は透明性にも清潔性にも欠ける。今回、真剣に会長候補に名乗りを挙げた人々が脇に押しやられ、候補名簿になかった人物が首相の鶴の一声で選ばれたことについて、候補者の人々に同情する」と語っている。

 バットローズ氏は新会長としてミシェル・ガスリー前理事長の後継者を決めなければならない。

 2010年に労働党政権が成立させた法律により、モリソン首相は選考委員会の名簿を差し置いて、自分が最適と考える者を選ぶことができるが、連邦議会で決定理由を認められなければならない。
■ソース
Is Ita Buttrose the right pick to replace Justin Milne as ABC chair?

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