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ダットン内務相の虚偽発言を無所属議員が叱責

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「難民患者が来ると国民患者が後回しになる」

 連邦下院で政府与党の保守連合が反対し、無所属議員5人、労働党、緑の党の賛成で1票差で成立した難民医療移送法修正法案に対して、ピーター・ダットン内務相が、「病院で難民治療が優先し、国民患者が後回しになる」と発言した。

 しかし、同法成立当時に政府与党が、「移送の難民はWA州沖合のクリスマス島の元入管収容所医療施設に収容される」と言明しており、ダットン内務相の発言のようなことが起きることはあり得ず、ダットン内務相は、修正法案を提出した現役の医師、ケリン・フェルプス無所属下院議員は、「ごく少数の難民患者がオーストラリア国内の医療体制を圧迫することはあり得ない」とダットン内務相に反論している。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 ダットン内務相は、「ナウルとPNGマヌス島に残っていた未成年収容者が家族と共に難民交換協定に従って定着するためアメリカに渡った。これは保守連合政権にとっては、労働党政権が何千人もの未成年を入管収容所に放り込んで以来の懸念であり、最大の成果だ」と語った。

 しかし、それに続いて、フェルプス無所属議員の難民医療移送法修正法案を労働党が支持したことを攻撃し、「重篤な疾病難民が治療のためにオーストラリア本土に移送されると、オーストラリア国民が後回しにされ、病院で治療を受けられなくなる」と発言したことが発端となっている。

 これに対してフェルプス議員は、「現在マヌス島とナウルに残っている難民および難民認定希望者は1000人ほどだが、治療を必要とする者は70人程度であり、ダットン大臣は、病気を抱えたオーストラリア国民に向けて不安に陥れるような虚偽発言のキャンペーンを行っており、国民に対して冷酷な行為だ」と叱責している。

 豪厚生研究所によると、2016年度統計で国内には701の公立病院があり、合計61,000床の病床がある。さらに私立病院が630箇所あり、病床は33,100床にのぼるため、現役の医師であるフェルプス議員は、「難民の患者は70人程度。国内にはこれだけの患者を治療する能力は十分にある」と語っている。

 この報道は、「ダットン内務相の発言が先の政府の確言とどう整合するのか明らかではない」と結んでいる。
■ソース
Peter Dutton claims Australians will be ‘kicked off’ hospital waiting lists in favour of refugees

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