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NSW州労働党大敗、リーダーシップ問題浮上必至

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民族偏見発言や対論中に労働党政策予算失念

 NSW州選挙で保守連合の自由党、国民党が得票率を下げることは予想されていたが、大方の予想では労働党が得票を伸ばし、議席が伯仲するはずだったが、3月23日の即日開票で労働党も得票率を下げ、大敗する結果になった。

 ルーク・フォリー前州労働党党首がセクシャル・ハラスメントで失脚した後に党首の座に就いたマイケル・デーリー氏は知名度は乏しかったが無難な人選とも考えられていた。しかし、この大敗で5月の連邦総選挙後には再び党首選に入ることは必至と見られている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 フォリー氏失脚後の2018年11月に行われた党首選ではデーリー氏は、シドニー南部コガラ選出のクリス・ミンズ議員に33票対12票で勝利しており、ミンズ議員は州議会で影の水源相を務めている。次の党首選は連邦総選挙に全力を挙げて取り組む意味でも5月過ぎまで延期されるが、ミンズ議員が再度挑戦すると見られている他、保守連合、労働党双方から10人を超える失脚議員を出したシドニー水道局外郭団体汚職問題で廉潔の名を挙げたジョディ・マッケイ影の運輸相も名乗りを挙げる可能性がいわれている。ただし、マッケイ議員は労働党左派であり、伝統的に州党首は党内多数派の右派からしか出ていない。

 デーリー党首の選挙戦は出だしこそ良かったが、2018年にブルーマウンテンでの労働党の集まりで、「シドニーから若い人達が逃げ出しており、その後にアジアから博士号を持った人々が入り込んで仕事を取っている」と発言したことが、投票日直前になって保守連合から暴露された。さらに、党首対論で労働党の教育政策の予算を失念して答えられなかった。ブルーマウンテンでの失言では、「博士号を持った中国、インドネシア、マレーシアからの若い人々」がオーストラリアの若い世代の仕事を奪っているとの主旨だったことから、シドニーの選挙区で中国系有権者の多い地区、とくにミンズ議員のコガラ選挙区では得票率を4%も落とし、労働党安定地盤から伯仲選挙区に変わってしまった。

 労働党はギラード・ラッド・ギラード党首交代劇の後、党首の地位を安定させるためいくつかの規則を制定しており、その一つとして議員ではなく、一般党員の投票権も拡大している。

 ABC放送の討論パネルに出演したマッケイ議員は、「移民問題に関するデーリー党首の失言は大きなつまづきになった。現実に大きく得票率を落とした」と語った。
■ソース
NSW election flop means Michael Daley will be challenged for Labor leadership

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