ペル裁判の箝口令破る報道に法廷侮辱罪適用
VIC州の裁判所で開かれていたジョージ・ペル(枢機卿、77)被告人の児童性虐待裁判は2018年12月に陪審団から有罪の評決が出されていた。しかし、当時、同被告人には他の事件の裁判も予定されており、裁判結果に影響を及ばさないようメディアには「有罪評決」報道箝口令が敷かれていた。
結果的には他の事件は不起訴処分になったが、VIC州検事局は、2018年12月の段階で箝口令を破り、裁判の評決を報道するなどしたメディアの編集長、記者を法廷侮辱罪で起訴する考えを検討している。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH, 電子版)が伝えた。
VIC州検事局のケリ・ジャッドQCは、州最高裁での申し立てで36の団体と個人を挙げ、「犯罪行為が認められ場合、有罪判決を下し、自由刑または科料を言い渡すよう求めた。
エージ、ヘラルド・サン、SMH、デーリー・テレグラフ、オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー各紙の編集長の名前が挙がっており、また、新聞、雑誌の出版社も挙げられている。
VIC州郡裁判所のピーター・キッド首席判事は、2019年2月に箝口令を撤回し、ペル被告人の有罪が改めて大きく報道された。
2019年2月ペル被告人は児童性虐待で有罪判決を受け、6年の懲役刑を言い渡されたが、控訴しており、2019年6月初めから審理が始まる。
12月の有罪評決2日後の12月13日、エージ紙をはじめいくつかのメディアがペル枢機卿の名前を出さずに曖昧な内容で裁判を報道しており、州検事局から警告を受けていた。また、ワシントン・ポストとニューヨーク・ポストなどの海外メディアはペル枢機卿の名前を挙げて有罪評決を報道しているが、起訴はされていない。
■ソース
DPP moves to jail dozens of editors, journalists over reports after Pell verdict