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シドニー都市圏西北部で建築工事足場崩壊

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18歳の青年死亡、遺族が安全対策強化を要求

 4月1日、マコーリー・パークの建築現場で足場のスキャッフォールドが崩壊し、作業していた労働者2人が崩れたスキャッフォールドの下敷きになり、18歳の見習い青年が死亡した事故で亡くなったクリストファー・キャッサニティさんの遺族は建築工事の安全対策を要求している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 クリストファーさんの遺族は「息子は優しく働き者のティーンネージャだった」と語っている。

 一方で、NSW州では職場の安全を監督するSafeWork NSWの抜き打ち検査で2018年にはスキャッフォールド安全規則違反で建築業者に対して100件を超える違反通告を発行している。

 政府はこれまで建築労働者の組合、CFMEUの活動を抑えることに努めており、建築労働者の保護には不熱心だったとの批判も出ている。そのため、公的機関のSafeWork NSWでさえも、「1年間の抜き打ち点検で足場安全規則違反が当たり前のようになっている」と発表している。

 これに対して、州政府は、「事故調査で労働者の安全向上のためにできることがあれば政府もその方向で行動する」と発表している。しかし、SafeWork NSWが、「足場安全規則違反が当たり前のようになっている」と指摘しているにもかかわらず、この足場安全規則違反通告はすべての違反通告の10%にも満たず、足場安全規則違反が重大な違反と見なされていなかったことを示している。

 クリストファーさんの叔父、ジョー・キャッサニティさんは、州政府に対して、「建築現場の安全に関して厳重な措置を直ちに実行してもらいたい。どんなことをしてもクリストファーが生き返るわけではないが、彼の死を統計の数字にして欲しくない」と要求している。

 SafeWork NSWは、2017年に建築現場の高所からの転落事故が急増していることを受けて抜き打ち点検を始めた。これまでに1,258件の違反通告を発行しているがその大部分は転落事故の危険に関するものだった。

 ABC放送の取材では、若い建築労働者達が、「安全ガイドラインに反する作業を命じられることは毎度のことだが、解雇される危険があるため、危険な作業慣行を該当官庁に通報することをためられている」と訴えている。

 野党労働党のタニア・ミハイルク都市計画スポークスウーマンは、「労働者の安全のためにどのような措置を取るつもりがあるのかと、ロブ・ストークス都市計画大臣に書簡で質問した」と語っている。

 事故現場の足場組み立てを請け負っているSynergy Scaffolding Servicesは、「当社は労働者と一般社会の安全、福利、福祉を最優先しており、全ての安全法規を厳守し、すべての作業員が適切な資格を持ち、必要な訓練と説明を受けるよう計らっている」と述べている。
■ソース
Sydney scaffolding death prompts calls for better safety measures from Christopher Cassaniti’s family

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