カジノ経営者や中国政権宣伝メディア経営者ら
2018年に民間ゴルフ・クラブで開かれたトニー・アボット議員再選を目指す選挙資金募集パーティを主催した中国人2人が、フィリピンで贈賄容疑の逮捕状が出されている人物と、中国国営ラジオ放送の子会社と合弁メディア企業の共同経営者になっている人物であることが明らかにされた。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。
2018年2月と3月にシドニー都市圏南西部ラデナムのツイン・クリークス・ゴルフ・クラブで開かれた「ワリンガFECゴルフ&ディナー・デー」にアボット氏と自由党の財政担当ジョン・カプート氏が出席している。
このゴルフ・クラブの役員にはカジノ経営でフィリピンから逮捕状の出ているジャック・ラム氏、それに2011年以来中国政権宣伝機関メディアの共同経営者になっているトミー・ジアン氏がおさまっている。
この2人は、Chinese Peoples’ Political Consultative Conferenceなど、中国共産党と直結しており、海外諸国で中国共産党の影響を広げる目的の政治団体と関わりのある団体で動いている。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙、エージ紙、ABCテレビ放送の時事番組「Four Corners」の共同調査で、アボット氏がこのゴルフ・デーに参加した時に中国メディアが、「アボット氏が、ラム氏とジアン氏の予算1億ドルの開発計画を支持している」と報道している。
その2週間後に同じクラブでアボット選挙資金募集パーティが開かれた。
自由党の広報担当者は、「2018年3月のツイン・クリークスでの政治献金は規則に従って申告した」と発表しているが、額については触れていない。しかし、連邦自由党は、2018年度の「ツイン・クリークス」の政治献金を4万ドルと申告している。
また、自由党幹部筋は、「党では現在ツイン・クリークスからの政治献金について検討している」と語っている。一方、アボット氏の広報担当者は、「政治献金は自由党のイベントであり、アボット氏はゲストとして出席しただけで、イベントの裏側には一切タッチしていない」と発表している。
また、国内情報機関のASIOが自由党に対して、2氏が中国共産党に近い人物であることを警告していたとも伝えている。
この報道は、4月8日午後8時30分からのABCテレビ「Four Corners」で放送される。
■ソース
Abbott’s re-election backed by Communist-linked Chinese businessmen